G7
G7長野県軽井沢外相会合(概要)


1 総論
今年2回目となる対面でのG7外相会合であり、セッション全体を通じて、5月の G7広島サミットに向けたG7外相間の連携を確認した。また、今年のサミットが広島で開催されることも念頭に、核軍縮・不拡散についても詳細に議論した。
さらに、G7として初めて、日本が重視する「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」へのコミットメントや、「世界のどこであれ」一方的な現状変更の試みに強く反対することを文書の形で確認。
2 インド太平洋
林大臣から、FOIPや、その新プランに関する日本の考え方について説明し、G7メンバーからの支持を得た。
G7メンバーのインド太平洋地域への関与強化や、ASEAN中心性・一体性への揺るぎない支持及び「インド太平洋に関するASEANアウトルック」に沿った協力の推進へのコミットメント、太平洋島嶼国との連携を再確認した。
また、各国外相とは、G7の枠組みにおいて、インド太平洋に関する議論を定例化し、連携を強化していくことで一致した。
3 中国
G7として、中国と率直な対話を行い、懸念を直接伝える重要性、また、グローバルな課題や共通の関心分野では中国と協力する必要性を確認した。その上で、G7として、中国に国際社会の責任あるメンバーとして行動するよう呼びかけるとともに、対話を通じて中国と建設的かつ安定的な関係を築く用意があることを確認した。
また、G7として、東シナ海・南シナ海情勢について、引き続き深刻な懸念を表明するとともに、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対することで一致した。
さらに、台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認した。
4 ロシア/ウクライナ
G7として、引き続き一致して厳しい対露制裁及び強力なウクライナ支援を継続していくことを確認した。
また、ロシアが即時かつ無条件に全ての軍及び装備をウクライナから撤退させるべき旨強調し、ロシアによる無責任な核のレトリックやベラルーシに核兵器を配備するとの威嚇は受け入れられないことを確認した。
さらに、制裁回避や第三国等からロシアへの武器提供に対処するための連携強化で一致した。
5 核軍縮・不拡散
引き続き「核兵器のない世界」へコミットしていることを再確認した。
NPT体制の維持・強化を図り、その下で核軍縮を進めることが重要との認識を共有し、岸田総理の「ヒロシマ・アクション・プラン」は、「核兵器のない世界」の実現に向けた歓迎すべき貢献であるとのG7メンバーによる評価を得た。
具体的な核軍縮の取組としては、CTBT及びFMCTを重視するとともに、G7として、中国の核戦力の拡大に対する懸念を共有し、核戦力の透明性の重要性を確認した。
中国に対して戦略的なリスク低減に関する米国との対話に速やかに関与することを強く求めるとともに、核分裂性物質(FM)生産モラトリアムの宣言・維持を行っていない核兵器国に対し、これを行うよう要請した。
6 経済安全保障
経済安全保障については、G7外相文書としては初めて、独立した項目を設けた。その中で、経済安全保障上の脅威が増大していることへの懸念を表明し、信頼性に基づく、強靭なサプライチェーンを構築すること、外交当局間で連携しつつ経済的威圧に対抗していくこと、国家主導で我々の重要技術や知的財産を不当に又は強制的に獲得しようとする動きに対して対策を講じていくこと等、具体的な取組を進めることについて認識を共有した。
7 グローバル・サウス等
「グローバル・サウス」への関与強化の重要性を再確認し、G7の連携を強化することで一致し、中東、中央アジア、アフリカ、中南米といった国々との協力を強化していくことで一致した。
各セッション概要
- G7長野県軽井沢外相会合(「核軍縮・不拡散」セッション概要)(令和5年4月18日)
- G7長野県軽井沢外相会合(「アフリカ」セッション概要)(令和5年4月18日)
- G7長野県軽井沢外相会合(「アフガニスタン・中央アジア」セッション概要)(令和5年4月17日)
- G7長野県軽井沢外相会合(「イラン・中東」セッション概要)(令和5年4月17日)
- G7長野県軽井沢外相会合(「国際的なパートナーとの協力に関するワーキング・ランチ」概要)(令和5年4月17日)
- G7長野県軽井沢外相会合(「ウクライナ」セッション概要)(令和5年4月17日)
- G7長野県軽井沢外相会合(「インド太平洋」セッション概要)(令和5年4月17日)
- G7長野県軽井沢外相会合(「インド太平洋に関するワーキング・ディナー」概要)(令和5年4月16日)