日本の安全保障と国際社会の平和と安定
女性・平和・安全保障に関する行動計画:第2回少人数グループ会合
平成25年12月20日
12月20日,外務省で開催された女性・平和・安全保障に関する行動計画についての第2回少人数グループ会合の概要は以下のとおりです。
1.出席者
少人数グループのメンバーが出席し,関心を有する方々20名弱がオブザーバーとして傍聴されました。
【参考】 少人数グループ・メンバー(敬称略)
- <学識者>
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秋林 こずえ(欠席) 立命館大学 川眞田 嘉壽子 立正大学 田中 雅子(欠席) 文京学院大学 橋本 ヒロ子 CSW日本代表 福井 美穂 お茶の水女子大学 堀内 光子 (公財)アジア女性交流・研究フォーラム 三輪 敦子 (公財)世界人権問題研究センター 目黒 依子 ジェンダーアクションプラットフォーム - <市民連絡会>
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斎藤 文栄 東日本大震災女性支援ネットワーク 武田 万里子 国際女性の地位協会 本山 央子 アジア女性資料センター 与那嶺 涼子(欠席) ジェンダー・コンサルタント(女性,平和,安全保障) 渡辺 美奈 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」 - <外務省>
- 和田 幸浩 外務省総合外交政策局主任外交政策調整官
- 他2名
- <関係府省庁>
- 内閣府男女共同参画局
- JICA
2.議論の概要
会合の冒頭,市民社会のメンバーから,今後の策定作業の進め方について以下(1)のとおり要望がありました。続いて,外務省から行動計画案(第1稿)(PDF)(注1)を暫定版である旨前置きの上で配布し,概要を説明しました。市民社会のメンバーから,以下(2)のとおり主に同計画案の序文についてコメントがありました。
(1)行動計画の策定作業の進め方についての要望(カッコ内は外務省からの取りあえずの応答)
- ア 少人数グループ会合は,市民社会のメンバーが参加しやすい平日夕方又は週末の開催を検討してほしい(平日夕方開催の可能性を検討したい。)。
- イ 首都圏外参加者への交通費の支給,意見交換会の地方開催を検討してほしい(それぞれについて具体的に検討を進めたい。)。
(2)行動計画案(第1稿)への主なコメント(カッコ内は外務省からの取りあえずの応答)
【序文について】
- ア 計画案第1稿(以下「計画案」という。)「1.基本的人権とジェンダー平等への取組」の(2)における北京行動綱領への言及について,「1325NAP市民連絡会」による「『序文』に関する提案」(PDF)(以下「提案」という。)(注2)の1.(2)のとおり,戦略目標E-1への言及が必要(計画案1.(2)の末尾を「明確にするとともに,」として,戦略目標に言及する方向で検討する。)。
- イ 計画案「1.基本的人権とジェンダー平等への取組」の(3)における日本国憲法第14条「法の下の平等」,第24条「個人の尊厳と両性の平等」のみならず,第9条に言及する(どのような記述が適切か引き続き検討する。)。
- ウ 計画案「2.安保理決議第1325号の採択とそれ以降の女性・平和・安全保障に関する問題意識の高まり」の中に,提案2.のとおり,決議1325の意味と背景の追加等を行う(コメントを踏まえて検討する)。
- エ 計画案「3.日本の取組」について,提案3.のとおり,日本が取り組む意義(慰安婦,在日米軍基地周辺における女性に対する暴力等)を加える(本件計画の趣旨に鑑み,計画案3.(1)の「戦争を含む過去の歴史・経験を踏まえ」といった記述が妥当と考える。)。女性に対する大規模な/組織的暴力が含まれていることは明記すべきではないか。
- オ 計画案「3.日本の取組」について,提案4.のとおり,これまでの取組が不十分であった旨を記述する(「不十分との指摘がある」といった記述ができないか検討する。)。
- カ 計画案「3.日本の取組」の(2)において,1995年に日本が策定した「途上国の女性支援(WID)イニシアティブ」,また,国連の平和構築委員会での日本の取組に言及する(コメントを踏まえて検討する。)。
- キ 計画案「3.日本の取組」の(3)について,国連一般討論演説への言及には唐突感がある。「女性が輝く社会」といったキーワードを外して書くことも一案。日本が行動計画の策定を表明した経緯にも言及すべき(コメントを踏まえ,日本の行動計画策定の作業開始に至る経緯に言及し,その中で,国連一般討論演説についても触れる方向で検討したい。)。
- ク 計画案「3.日本の取組」の(4)について,「自然災害とジェンダー」に関する決議の主題はジェンダー主流化であるので,その旨記述する(コメントを踏まえて検討する。)。
- ケ 計画案「4.行動計画に関する基本的考え方」の(2)について,「積極的平和主義」といった定義が曖昧な言葉は避けるべき(分かりやすく書き下す方向で検討する。)。
- コ 計画案「5.行動計画の目標と構成」の(1)について,提案5.のとおり,安保理決議第1325号の主眼(女性を被害者ではなく,紛争の防止・解決,平和構築を実現する上での「積極的主体」として位置付けていること)を入れる(コメントを踏まえて検討する。)。
- サ 計画案「5.行動計画の目標と構成」の(2)(2)について,国内の「措置及び努力についても」の「も」は違和感がある(対外的な取組と国内の措置・努力を並列で記述することも一案。)。
【具体的な施策について】
- シ 国際会議,特に和平に関する会議への日本の代表団への女性の参画の推進(割合の数値目標を含む)を加える(コメントを踏まえて検討する。)。
- ス 人道・復興支援について,DDR(武装解除・動員解除・社会復帰)におけるジェンダー対応を加える(コメントを踏まえて検討する。)。
【柱立てについて】
- セ 「防止」と「保護」は切り離せない部分があり,「防止・保護」というように一括りにすることも今後要検討。「紛争の防止」,「暴力の防止・保護」とするのも一案(今後検討を続けたい。)。
【モニタリングについて】
- ソ 計画案「V.モニタリング・評価・見直し」の「1.モニタリング」について,モニタリングの詳細も計画策定時に決め,計画に明記すべき(その方向で検討を進めたいが,万が一,この部分のみが積み残しとなり,計画の策定が遅れるようであれば,まずは計画を策定し,その後遅滞なくモニタリングの詳細について議論するといったことも検討し得る。)。
- (注1)行動計画案(第1稿)では,外務省側が第二回意見交換会(10月18日)で席上配布した骨子案(第2稿)(PDF)からの追加・変更点を青字で,検討中の箇所を赤字で記載している。
- (注2)市民連絡会作成の「序文への提言」は,骨子案(第2稿)が土台になっている。
3.今後の予定
- (1)明年2月4日に,少人数グループの第3回会合を開催すべく調整することになりました。
- (2)少人数グループ会合の開催,また,同会合の結果などの検討状況は,引き続き外務省ホームページなどを通じて幅広く共有させていただき,引き続き随時御意見を頂きながら,作業を進めていく予定です。