海洋安全保障

平成30年10月19日
河野外務大臣の北極サークル出席
河野外務大臣の北極サークル出席
河野外務大臣の北極サークル出席
  1.  10月19日午前(日本時間同日午後),河野太郎外務大臣は,レイキャビク(アイスランド)で開催された「北極サークル」に,日本の外務大臣として初めて出席し,その開会セッションにおいて,我が国の北極政策に関する基調講演仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)を行いました。
  2.  河野大臣は,基調講演の中で,天然資源の開発や北極海航路の利用といった北極に生まれつつある「機会」をとらえるとともに,先住民の生活や生態系への悪影響といった北極の「課題」に国際社会が適切に対応するためには,北極の環境変化のメカニズムを解明し,その影響を理解することが特に重要である旨強調しました。
  3.  また,河野大臣は,国際社会にとって「望ましい北極」の要素として,(1)環境変化のメカニズムが解明され,その対応策を国際社会が共有すること,(2)先住民の生活や生態系に配慮し,持続可能な経済利用が探求されること,(3)「法の支配」に基づき,平和で秩序ある形で国際協力がなされることを挙げた上で,こうした「望ましい北極」を実現するために,日本はすべてのステークホルダーと協力を推進するとのメッセージを発信しました。
  4.  その上で,河野大臣は,(1)科学調査研究,(2)持続可能な経済利用,(3)「法の支配」の構築と強化の3つの側面において,包括的北極域科学研究プロジェクト,ブラックカーボンの排出抑制をめぐる北極圏国との協力,砕氷機能を有する北極域研究船の建造等に向けた検討(以上(1)関連),ロシアとの北極圏での包括的なエネルギー開発協力,船舶事故リスク軽減に資する海氷データ配信システム,中央北極海公海漁業規制協定への署名(以上(2)関連),海上保安庁と北極圏諸国の海上保安機関の関係強化(以上(3)関連)といった日本が進めている具体的協力を紹介しました。
  5.  続いて,グリムソン北極サークル議長(モデレーター),ヤコブスドッティル・アイスランド首相及び河野大臣による座談会が行われました。日本が考える北極協力の方向性,日中韓3か国による北極対話の意義に関する質問が提示され,活発な議論が行われました。
  6. 【参考】北極サークル
    (1)グリムソン・アイスランド前大統領等により2013年に設立され,政府関係者,研究者,ビジネス関係者等,約2,000名が集まる国際会議。北極版ダボス会議。
    (2)毎年10月にアイスランド・レイキャビクで開催。本年は10月19日から21日まで開催。
    (3)我が国は,第1回会合から北極担当大使等が参加しており,全体会合でのスピーチを行っている他,分科会において我が国研究者が科学研究の成果を発表している。


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