北極・南極

平成29年10月24日
  1. 10月13日から15日まで,アイスランドのレイキャビクにおいて,第5回北極サークルが開催されました。この会合は,2013年にアイスランドのグリムソン大統領(当時)のイニシアティブで開始されたもので,同国政府の強い後押しを受けて開催されています。今次会合にも,50か国以上から2000名以上もの北極政策担当者,研究者,ビジネス関係者及びメディア等が参加しました。我が国からは井出敬二北極担当大使,北川靖彦駐アイスランド大使,外務省,文部科学省,研究者,シンクタンク関係者らが参加しました。
  2. 10月13日の開会全体会合では,アイスランド首相,アイスランド大統領らと共に,井出大使が発言を行い,以下を述べました。
    • 本日は日本,中国,韓国の代表が参加しているが,これら東アジアの3か国は,世界経済で大きな比重を占めており,北極圏の環境保護でも特に大きな責任を担うことを認識している。北極協力について3か国で協議し,また研究協力を検討している。
    • 北極協力に関して,日本は以下の3点を特に重視している。
      • (1)環境保護のための科学的知見獲得。様々な研究体制強化を検討している。日本から今後とも研究協力で有意義な貢献をしていく。
      • (2)持続可能な経済活動を実現する。北極圏でのLNGプラント建設,砕氷LNGタンカー建造・運航に際しても日本企業は環境保護に配慮している。
      • (3)法の支配の確保。最近(9月),約40もの国・地域・国際機関の代表を集めて世界海上保安機関サミットを東京で開催したことも,その努力の一環。
  3. 10月14日には,我が国の北極研究がSDGs(持続可能な開発)に貢献していることを紹介する分科会を開催しました。冒頭,井出大使から,一昨年に我が国政府が「我が国の北極政策」を策定し,また北極の科学研究プロジェクトである「北極域研究推進プロジェクト(Arctic Challenge for Sustainability:ArCS)」を立ち上げたことを紹介した上で,我が国として,持続可能性を強化するために科学研究分野での活動を強化していく考えである旨述べました。
    続いて,文部科学省,国立極地研究所,北海道大学,東京大学,東北大学の研究者から,ArCSプロジェクトの一環としての研究概要を紹介しました。
    約70名もの聴衆が熱心に聞き,活発な意見交換が行われました。
  4. 10月14日夕刻には,「ジャパン・ナイト」と題して我が国文化を紹介するイベントを開催しました。北川駐アイスランド大使,グリムソン前大統領(「北極サークル」議長),井出北極担当大使の挨拶に続き,津軽三味線奏者一川響氏と演歌歌手望月あかり氏の演奏・歌唱があり,日本酒と寿司を提供しました。また日本の北極研究を紹介するスライド,DVDを上映しました。

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