女性
上川外務大臣の「WPS+イノベーション」シンポジウム出席
令和5年11月13日



現地時間11月13日午後2時(日本時間14日午前7時)から約1時間、APEC閣僚会議出席のため米国・サンフランシスコを訪問中の上川陽子外務大臣は、北カリフォルニアジャパンソサエティ、北カリフォルニアアジアソサエティ、米日カウンシル及びシリコンバレー・ジャパン・プラットフォームの共催による「WPS+イノベーション」シンポジウムに出席したところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、ラリー・グリーンウッド北カリフォルニアジャパンソサエティ会長による開会挨拶に続いて上川大臣が登壇し、基調講演を行いました。
- まず、上川大臣から、WPSは、それまで社会及び経済の問題として伝統的に議論されてきた女性と女児の問題を、国際社会と安全保障の領域に取り込む足がかりとなった点で重要な考え方であるが、現在の平和と安定が揺らいでいる時代においては、もはやこれまでのように経済は経済、平和と安定は平和と安定として議論するのではなく、経済と平和と安定を不可分のテーマとして議論すべきと述べました。そして、サンフランシスコは、何千もの女性が経営する企業の本拠地であり、今回のAPEC閣僚会議においても女性の経済的エンパワーメントは重要アジェンダの一つとされる中、WPSにイノベーションをもたらし、次の次元に引き上げるために、「WPS+イノベーション」について議論することは、まさに時宜を得たものであると述べました。
- 上川大臣は、WPSと大臣自身との関わりについて述べた上で、WPSには女性や若者などより幅広い立場の人々が貢献できるとして、社会が経済的に安定しているほど暴力や紛争が起こりにくいことや、ジェンダー平等や女性の参画が実現している社会ほど経済成長率が高いこと、女性の視点を組み込んでいない施策は持続しないとの指摘に関し、研究結果やエピソードを紹介しました。
- さらに、上川大臣は、WPSの推進や女性のエンパワーメントには男性の協力が不可欠であること、また、世界各地で自然災害が多発する中、災害対応や防災・減災の分野にWPSアジェンダを組み込むことは極めて重要であると述べました。そして、WPSの更なる推進に向けて、より強靱な経済と社会の発展を実現するために何ができるのか、本日のパネルディスカッションで頂くアイデアも結集し、WPSのイノベーションを実現していきたいと述べました。
- 続いて、スザンヌ・バサラ米日カウンシル会長がモデレーターを務め、ダナ・フジコ・ヘザートン・ウェイモ新規市場責任者、デレク・ケンモツ米国防省国防イノベーション・ユニットAI/MLビジネス開発リード、エレン・カメイ・マウンテンビュー市議会議員が参加するパネルディスカッションが行われました。参加者からは、上川大臣の発言を引用しつつ、現地で経済活動や先進的活動に従事する立場や個人の経験から様々な視点やアイデアが提起され、非常に活発な議論が行われました。
- パネルディスカッションでの議論を受けて、上川大臣は、パネリストの議論に非常に良い刺激を受けた、このような議論を是非続けていきたいと述べつつ、会場の全ての人々に謝意を述べました。最後に、スージー・ルース北カリフォルニアアジアソサエティ理事は閉会挨拶で、4団体で上川外務大臣を当地に迎えシンポジウムを開催することができ非常に有意義であった、今後もパートナーとして協力していくことを楽しみにしている、と述べました。閉会後、上川大臣は会場の聴衆と握手を交わし、大きな拍手の中、会場を後にしました。
(参考1)女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security: WPS)
2000年、国連安全保障理事会(国連安保理)において、同理事会史上初めて、国際的な平和と紛争予防、紛争解決には女性の平等な参画や紛争下の性暴力からの保護、ジェンダー平等が必要であると明記した「女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security: WPS)に関する安保理決議第1325号」が全会一致で採択された。同決議及び関連決議を実施するため、日本はこれまで3次にわたり行動計画を策定・実施している。