人権外交

ビジネスと人権に関するベースラインスタディ意見交換会(第8回会合)の開催(結果)

日時:平成30年7月6日(金曜日)
10時~12時
場所:外務省会議室893号室

平成30年8月28日

  1. 我が国は,ビジネスと人権に関する国別行動計画策定の第一段階として,企業活動における人権保護に関する我が国の法制度や取組についての現状を確認するため,ベースラインスタディを実施してきており,7月6日,ビジネスと人権に関するベースラインスタディ意見交換会(第8回会合)が開催されました。
  2. 会合には,関係府省庁,経済界,労働界,市民社会,有識者,各種団体の関係者が出席し,政府側から,「サプライチェーン」に関する取組等について説明しました。
  3. 議事概要は以下のとおりです。
    • (1)日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所新領域研究センター山田美和法・制度研究グループ長より,「日本企業は責任あるサプライチェーン管理をいかに実行できるか ギャップの特定と政策支援の重要性」と題する報告がありました。
    • (2)外務省,経済産業省,農林水産省,厚生労働省,消費者庁から,ア サプライチェーンに関連する指針(OECD多国籍企業行動指針,責任ある企業行動(RBC)のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス,価値協創ガイダンス),イ サプライチェーンにおける個別分野(鉱物資源,農水産物及び労働)に関する現状・取組,ウ 企業及び消費者に対する普及・支援活動等について報告がありました。
    • (3)続いて,(公財)東京オリンピック・パラリンピック組織委員会より,「持続可能性に配慮した調達コード」における個別調達基準(木材,農産物,畜産物,水産物,紙,パーム油)策定過程において議論された具体的な人権リスク等に関する報告がありました。
    • (4)ステークホルダー代表からは,サプライチェーンに関連して,企業,労働者等の当事者が直面すると懸念される人権リスク等に関し,各自の意見の発表がありました。
    • (5)主な意見等は以下のとおりです。
      サプライチェーンにおける潮流
      近年,消費者や投資家等のサプライチェーンに対する関心の高まりとともに,G7エルマウ・サミット首脳宣言をはじめ,国際的なコミットメントや開示に関する国内法制,ガイドライン等が示されてきている。企業と労働組合がパートナーとして共に社会的責任を果たすべく,一部の日本企業が企業における建設的な労使関係構築や企業行動規範に関する国際枠組み協定を労働組合と締結。それらの潮流を踏まえて,日本政府のコミットメントを幅広に発信し,政府と企業のそれぞれの役割を明確にしながら,企業を後押ししていくことが政府への期待の一つとして挙げられた。
      サプライチェーンにおける企業への期待
      ジェトロ・アジア経済研究所の調査によれば,海外事業を展開している多くの日本企業が労働慣行や環境保全への取組を実施しているが,大企業に比べると中小企業は方針を有している割合が少ない,さらにサプライチェーンにおいて環境・労働・安全衛生などについてサプライヤーに準拠を求めている,顧客から求められているという関係性が存在する。また,グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン実施のCSR調達に関する調査結果から,調達デュー・ディリジェンスの実施対象が一次階層までが多いこと,業界毎にリスクが異なるとの指摘があった。人権デュー・ディリジェンスや社会課題への取組の内容の開示等,人権の尊重への積極的な取組等が課題として挙げられ,国際的な枠組み・ガイドラインに対する企業の認識を高める必要があるところ,さらなる普及・啓発活動が必要である,また,ビジネスと人権に関しては,企業だけではなく,消費者も含め,官民双方の更なる普及・啓発活動が期待されていると意見があった。
      既存の取組の活用
      企業側は,海外展開に伴うリスク等に関するタイムリーな情報提供等を必要としており,相談窓口等の支援が望まれている。在外公館における「日本企業支援窓口(日本企業支援担当官)」や,国内外に所在するジェトロ事務所及びILOビジネスのためのヘルプデスク等,既存の窓口の活用を通し,ビジネスと人権に関する観点からの支援の強化につなげるという提案もあった。既に企業が行っているサプライチェーンにおける取組についても,実効性を担保することが課題との指摘があった。

【参考】出席者:

(ステークホルダー:以下の組織に属する関係者)
(一社)グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
(一社)日本経済団体連合会
日本弁護士連合会
日本労働組合総連合会
ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム等
(関係府省庁)
内閣官房,警察庁,金融庁,消費者庁,総務省,法務省,外務省,財務省,文部科学省,厚生労働省,農林水産省,経済産業省
(有識者)
日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所新領域センター山田美和法・制度研究グループ長
(オブザーバー)
OECD東京センター
国際連合広報センター(UNIC Tokyo)
国際労働機関(ILO)駐日事務所/ILO本部
(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

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