バチカン

令和4年5月4日
教皇フランシスコ台下と握手する岸田総理大臣 教皇フランシスコ台下に謁見する岸田総理 (VaticanMedia提供)
パロリン国務長官と握手する岸田総理大臣 日・バチカン首脳会談 (VaticanMedia提供)

 バチカンを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、現地時間5月4日午前8時20分(日本時間同日午後15時20分)から約30分間、ローマ教皇フランシスコ台下(His Holiness Pope Francisco)に謁見し、その後55分間、ピエトロ・パロリン・バチカン国務長官(H. Em. Card. Pietro Parolin, Secretary of State of the Vatican、バチカンの首相に当たる)と首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 ローマ教皇フランシスコ台下への謁見

  • (1)教皇フランシスコ台下から、岸田総理大臣のバチカン訪問を歓迎するとともに、バチカンと日本の協力を強化していきたい旨述べました。
  • (2)これに対し、岸田総理大臣から、日バチカン国交樹立80周年の節目に、台下にお目にかかることができ光栄に思う、台下は初のイエズス会出身のローマ教皇としてフランシスコ・ザビエルのように日本での布教活動を希望されていたと伺っており、日本への格別の思いをお持ちいただいていることに感謝する、2019年に訪日し、被爆地広島及び長崎への訪問を果たしていただいたことに感謝する旨述べました。また、台下の平和へのメッセージ及び「核兵器のない世界」へのメッセージは多くの日本国民の心に深く刻まれた、被爆地広島出身の総理大臣として、「核兵器のない世界」に向け、バチカンと協力したい旨述べました。
  • (3)双方は、平和、「核兵器のない世界」の実現、人権擁護、環境保全等を重視するパートナーとして、人類共通の諸課題に対処するため、協力を進めることで一致しました。
  • (4)ロシアのウクライナ侵略、東アジア、北朝鮮を含む現下の国際・地域情勢についても意見交換が行われました。特にウクライナ情勢に関しては、無辜の民間人の殺害を非難すると共に、非道な侵略を終わらせ、平和を取り戻すとの決意で一致しました。また、岸田総理大臣から、本日も北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に向けて発射したことに言及し、北朝鮮の核・ミサイル活動に対する懸念と共に、北朝鮮による拉致問題の即時解決に向けた引き続きの理解と協力を要請しました。

2 パロリン国務長官との首脳会談

  • (1)両首脳は、二国間関係及び国際場裡での協力等について意見交換を行い、国交80周年を機に日バチカン関係を一層強化すると共に、「核兵器のない世界」に向けた努力を含め人類共通の諸課題に対応するため協力していくことで一致しました。
  • (2)両首脳は、ロシアのウクライナ侵略に関し無辜の民間人の殺害を非難すると共に、非道な侵略を終わらせ、平和を取り戻すとの決意で一致しました。また、核兵器による威嚇も、使用もあってはならないとの認識で一致しました。また、岸田総理大臣から、東シナ海及び南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みや香港・新彊の人権状況への強い懸念、本日も弾道ミサイルを発射した北朝鮮の核・ミサイル問題への深刻な懸念を述べ、両首脳は、国際的な緊張状態の高まりに対し、毅然として対応していくこと、また、拉致問題を含む北朝鮮への対応において引き続き連携していくことを確認しました。

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