安倍総理大臣

日・ポルトガル首脳会談(概要)

平成26年5月3日

  • (写真提供:内閣広報室)
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 5月2日(金曜日),ポルトガルを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,パッソス・コエーリョ・ポルトガル首相(H.E.Mr. Pedro Manuel Mamede Passos Coelho,Prime Minister of Portuguese Republic)と,午後7時から約1時間首脳会談を,続いて約1時間半の夕 食会を行ったところ,概要以下のとおりです。

1 総論

(1)冒頭,パッソス・コエーリョ首相から,500年近い日本とポルトガルの歴史の中で,初めての総理の訪問であるとして,大変厚い歓迎の意の表明がありました。

(2)安倍総理からは,史上初の訪問として,その歴史的意義に喜びと責任を感じる旨述べました。

(3)両首脳は,長い歴史的交流を有し,共に海洋国家である両国が基本的価値を共有するパートナーであるという認識に立って,(ア)海賊対策を含む海洋を中心とする安全保障協力,(イ)互いの経済成長に資する協力,(ウ)南米・アフリカ等のポルトガル語圏諸国での協力等の3つの意義を確認しました。
 こうした認識の下,両首脳は,二国間関係等についての協力の拡大に向けて,安全保障,経済,文化面でそれぞれ具体的な議論を行い,その成果が日・ポルトガル首脳間共同コミュニケ(英文(PDF)PDF仮訳(PDF)PDF骨子(PDF)PDF)に盛り込まれました。

2 地域協力(ポルトガル語圏諸国(CPLP)との協力)

(1)安倍総理から,両国は双方のポルトガル語圏及びアジアでの知見を生かし,重層的な協力を進めたい旨述べました。さらに,ポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)サミット(注)へのオブザーバー参加申請の意向を表明したところ,パッソス・コーリョ首相からは,日本のCPLPサミットへの参加の意向を歓迎する,早期の実現に向けて全面的に協力したいと述べました。

(2)また,両首脳は,ポルトガルが,資源が豊富で成長の可能性が高いアフリカへの潜在的なゲート・ウェイであるとの認識を共有し,まずは,現地情勢についての情報交換,具体的協力の進展に向けて,双方が関心を有する国の在外公館の間での連携を強化することで一致しました。

(注)ポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)サミット

  • ポルトガル語圏諸国間の「連帯」深化,ポルトガル語の公用語化を目標とし,1996年初のサミットがリスボンで開催。(1)加盟国間の開発支援(警察・司法,医療,教育中心),(2)民主化への相互協力(選挙監視団の派遣等),(3)大学間交流,査証・移民問題への取組,(4)文化事業等を共同事業として実施。
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  • ポルトガル,ブラジル,アンゴラ,モザンビーク,ギニアビサウ,サントメ・プリンシペ,カーボヴェルデ,東ティモールの8カ国。本部はリスボン。議長国は任期2年。2年毎開催のCPLPサミットを機に交代。現議長国は,東ティモール。

3 政治及び安全保障

(1)両首脳は,安全保障については,「力」による現状変更の試みへの対応は国際秩序に関わる共通の課題であるとの認識で一致しました。また,海洋における法の支配の確保が両国共通の利益であり,国際法に基づく公海における自由の確保と維持の重要性を確認しました。

(2)安倍総理から,国際協調主義に基づく積極的平和主義と我が国立場を説明し,パッソス・コエーリョ首相からは,平和と安定に向けた国際的努力に積極的に寄与する日本の意思と取組を歓迎するとの表明がありました。

(3)両首脳は,海上の防衛問題を始め両国の防衛当局間の経験を共有する機会の探究や,海賊対策での連携の重要性を確認しました。また,今後,ポルトガルに本部を置く欧州海上保安機関(EMSA)との将来的な協力も含め,安全及び環境分野での当局間の協力を促進していくことで一致しました。

4 経済

(1)安倍総理から,ポルトガルの経済状況の改善,EU,IMFの支援から卒業見込であることを歓迎し,ポルトガルの取組への敬意を表しました。これに対し,パッソス・コエーリョ首相からは,ポルトガルの経済改革の取組に関する説明があり,厳しい困難を国民の努力により乗り越え,経済は回復しつつある旨述べました。

(2)また,パッソス・コエーリョ首相からは,日本の成長戦略(アベノミクス)によって日本の経済が回復し,世界経済にダイナミズムを与えると指摘の上,大変高い評価が示されました。安倍総理からは,先方からの詳細かつ具体的な質問も踏まえ,成長戦略(アベノミクス)についての丁寧な説明を行いました。

(3)両首脳間で,両国間の貿易投資には潜在性があり,特に,ポルトガルから日本の投資の増大への期待が表明され,今後,日本貿易振興機構(JETRO)とポルトガル投資貿易振興庁(AICEP)との協力促進や新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)によるスマート・コミュニティの実現に向けた協力を進めていくことで一致しました。

(4)さらに,安倍総理からは,ポルトガル産豚肉の対日輸入を解禁した旨述べ,両首脳は,食料及び農畜産分野の交流を促進していくことで一致しました。また,安倍総理からは,残存する日本産食品等に対するEUの輸入規制が科学的根拠に基づき見直されるよう求め,パッソス・コエーリョ首相からは理解が示されました。

5 文化・人的交流

(1)両首脳は,両国の若者を始めとする人的交流強化のため,ワーキング・ホリデー導入に向けた協議を具体的に開始することで一致しました。

(2)また,両国の観光分野での協力促進,長い交流の歴史を踏まえた両国史料館どうしの協力や2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたスポーツ分野での協力を促進していくことで一致しました。

(3)さらに,日・ポルトガル,また,日・EU間の協力促進のため,両国の共催という形で,本年秋にリスボンにて有識者の会議を開催することとなりました。

6 日EU・EPA

 パッソス・コエーリョ首相からは,日EU・EPAの交渉の継続及び更なる進展への支持が表明され,早期締結に向けて両国間で協力をしていくことを確認しました。

7 国際場裡における協力

 両首脳は,開発途上国における女性のエンパワーメントの推進に向けて協力することで一致しました。パッソス・コエーリョ首相からは,本年後半に日本政府が主催する女性のエンパワーメントに関する国際的行事の成功に向けて,協力していくとの意図が表明されました。

8 結語

 最後に,安倍総理からパッソス・コエーリョ首相に対し,訪日招待の意向を表明し,同首相のできるだけ早期の訪日実現について一致しました。



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