英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
日英外相会談



8月5日午後6時00分(現地時間;日本時間6日午前2時)から約2時間、茂木敏充外務大臣は、ロンドンの「ランカスター・ハウス」において、ドミニク・ラーブ英国外務・英連邦大臣兼首席大臣(Rt Hon Dominic Raab MP, Secretary of State for Foreign and Commonwealth Affairs and First Secretary of State of the United Kingdom)と日英外相会談(1対1の会談を行った後、ワーキング・ディナー)を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 冒頭
(1)ラーブ外相から、茂木大臣の訪英を歓迎し、前回2月の訪日以来、様々な変化が起こっているので率直な意見交換をしたいと述べました。
(2)茂木大臣から、新型コロナの感染拡大後初の外国訪問先として英国を訪問でき、喜ばしい旨述べました。
(3)また、茂木大臣から、グローバルな戦略的パートナーとして、新型コロナウイルス感染症対策や「自由で開かれたインド太平洋」の実現のための協力を含む幅広い分野での一層の関係強化を確認したいと述べました。
2 二国間関係
(1)茂木大臣は、日英間の経済パートナーシップが日本とEU離脱後の英国との間の協力関係を深化する上で重要な基盤となることから、交渉の早期妥結が重要である旨強調し、ラーブ大臣も、早期決着に向けて日英で連携していくことが重要である旨述べました。
(2)茂木大臣から、EU離脱により両国の企業が被る悪影響を最小化していくことが必要であり、英EU間の将来関係交渉において移行期間内の締結を目指して英EU双方が努力することを期待する旨述べ、ラーブ外相から理解を得ました。
3 地域情勢
(1)両大臣は、「国家安全維持法」の制定を受けた香港情勢につき意見交換を行い、香港市民や各国国民・企業の権利・自由が尊重されるよう、引き続き連携して対応していくことを確認し、昨今の立法会選挙を巡る情勢について重大な懸念を共有しました。
(2)東シナ海・南シナ海問題について、両大臣は日英両国の立場が一致していることを確認するとともに、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
4 「自由で開かれたインド太平洋」協力を含む安保・防衛協力
(1)両大臣は、近年、日英安保・防衛協力が大幅に具体的進展を遂げていることを歓迎するとともに、共同訓練、海洋安全保障、「瀬取り」対応、防衛装備品移転や共同研究を含む更なる協力の推進に一致しました。
(2)また、両大臣は、英国の外務・英連邦省と国際開発省の統合も踏まえ、日英双方で戦略的観点からASEANやアフリカを始めインド太平洋地域における開発支援で一層連携していくこと、及び、インフラ支援について「質の高いインフラ投資に関するG20原則(PDF)」等の国際スタンダードが遵守されるよう協力していくことで一致しました。
(3)両大臣は、次回日英「2+2」について、できる限り早期に対面での協議を実施すべく調整していくことで一致しました。
5 コロナ対策及びポスト・コロナを念頭に置いた協力
(1)茂木大臣は、新型コロナの局面展開は、新薬・ワクチン開発が重要であり、英国で開発が進められているワクチンについて期待していると述べました。また、両大臣は、ワクチン・治療薬の開発等の国際的枠組みを進展させつつ緊密に連携していくことを確認しました。
(2)両大臣は、世界経済の再開と復興に向けた道筋を示し、また、「ポスト・コロナ」の国際秩序作りでG7が重要な役割を果たすべきとの認識で一致しました。