英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
日英首脳会談

(写真提供:内閣広報室)

(写真提供:内閣広報室)
15日午後7時10分(現地時間)から約40分間,G20サミットに参加するためトルコ・アンタルヤを訪問中の安倍総理は,キャメロン英国首相との間で日英首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
(1)安倍総理から,先般のパリでのテロによる英国人被害者に対するお見舞いの意を伝えた上で,今回の行為は我々が共有し守ろうとする価値に対する挑戦であると述べました。これに対しキャメロン首相は,テロ被害者に対するお見舞いの言葉に謝意を述べた上で,日本と英国は共にテロの被害者であり,共に闘っていきたい旨述べました。両首脳は、緊密に連携し,テロ対策に取り組んでいくことを確認しました。
(2)安倍総理から,日英が共に重視する「法の支配」の徹底等,国際社会の諸課題に日英が指導力を発揮して対応していきたい旨述べ,また来年のG7伊勢志摩サミットにキャメロン首相をお迎えすることを楽しみにしている旨述べました。
(3)これを受け,キャメロン首相は,日本と英国は経済及び安全保障といった分野での強いパートナーであり,これをさらに強化していきたい,日本が主催するG7を楽しみにしている旨述べました。
(4)なお,キャメロン首相から,安倍総理に対し,「ラグビーの歴史を作ったブレイブ・ブロッサムズへのお祝い」とのキャメロン首相のサインが書かれたラグビーボール及びラグビー・ワールドカップの日本・南アフリカ戦で使用された国旗がサプライズでプレゼントされました。
2 二国間関係,日EU関係
(1)安倍総理から,9月に成立した平和安全法制(PDF)に対する英国の支持に謝意を述べると共に,次回「2+2」に向け,日英間での安全保障・防衛分野の協力を進展させたい旨述べました。また,約1000の日本企業が英国に進出し,14万人を雇用していることに触れ,原発,高速鉄道等の分野で日本企業が更に英国に貢献できるよう支援を期待する旨述べました。さらに,日EU・EPA協定の大筋合意に向け英国の協力を得たい旨述べるとともに,戦略的パートナーシップ協定(SPA)の早期妥結の重要性についても言及しました。
(2)キャメロン首相からは,日英二国間の経済のパートナーシップは非常に高いレベルにある,日本企業の英国での活動を歓迎しており支援している,日EU・EPA交渉は継続していくべきであり,強く支持している旨述べました。
3 東アジア情勢
(1)安倍総理から,東シナ海や南シナ海における状況を説明しつつ,「法の支配」の観点から国際社会が連携して対応する必要があり,この観点からも,先般の米海軍による「航行の自由」作戦を支持する旨述べました。
(2)これに対しキャメロン首相から,中国を透明なルールに基づくシステムに取り込んでいくことの重要性が指摘されました。
4 その他
キャメロン首相は,日本は,民主主義,法の支配,自由市場経済といった価値観を共有しており,日英間では相互の投資も非常に多い旨述べた上で,日本の国際社会における位置づけが重要であるとして,日本は国連安保理常任理事国になるべきと述べました。また,両首脳は,サイバーセキュリティ分野でも日英で連携・協力していくことを確認しました。