フランス共和国
日仏外相会談


3月20日,午後7時30分から約1時間40分間,パリを訪問中の岸田文雄外務大臣はジャン=マルク・エロー仏外務・国際開発大臣と夕食を交えつつ会談したところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
(1)岸田大臣から,4月のG7広島外相会合に向け,エロー大臣と意見交換するために訪問した旨述べるとともに,先日のコートジボワールでのテロ事件により,フランス人が犠牲となったことへのお悔やみを述べました。また,岸田大臣より,エロー大臣がナント市と新潟市の姉妹都市提携を始め,日仏関係強化のために大変な貢献をしたことへの謝意を述べました。
(2)エロー大臣からは,初めて会えたことを大変嬉しく思う旨述べるとともに,テロ対策はG7広島外相会合の大きなテーマとなっており,その広島は平和のシンボルである旨述べました。また,本年は日仏イノベーション年を開催(PDF)しており,また,G7サミット,TICADが開催され,日本が国連安保理のメンバーである等,日仏間の特別なパートナー関係を進展させる良い機会である旨述べました。
(3)両大臣は,国際場裏で協力していくことを確認しました。
2 日仏関係・日EU関係
(1)両外相は,平和構築を含む安全保障・防衛面での協力を一層強化するとともに,本年8月にケニアで開催予定のTICAD VIを通じてアフリカにおける日仏協力を強化していくことで一致しました。また,両国間でハイレベルの往来が継続していることを評価しつつ,安保理改革や原子力協力の分野などでも引き続き連携し,日仏関係を強化していくことで一致しました。
(2)両外相は日EU・EPAの早期の大筋合意を目指すことで一致しました。また,岸田大臣から東日本大震災に係わる福島県産食品等の輸入規制に関し,科学的根拠に基づく更なる緩和を期待する旨述べました。
3 G7に向けた協力(グローバルな課題,地域情勢)
(1)岸田大臣より,G7伊勢志摩サミットの成功に向け,4月のG7広島外相会合では,テロ・暴力的過激主義対策,軍縮・不拡散,海洋安全保障といった諸課題に加え,ロシア・ウクライナ,中東,アジア等の地域情勢について議論したい旨述べました。これに対し,エロー大臣は,G7議長国としての日本を支持する旨述べました。
(2)テロに関し,両大臣は,テロを非難するともに,テロの未然防止のために国際社会と緊密に連携していくことで一致しました。
(3)軍縮・不拡散については,岸田大臣より,核兵器国と非核兵器国の協力を通じ,現時的かつ実践的な措置を着実に実施していくことが核兵器のない世界に向けた最短の道である旨述べました。エロー大臣は日本の目的を共有する旨述べました。
(4)気候変動について,岸田大臣より,COP21における仏のリーダーシップと尽力に敬意を表し,両大臣は,パリ協定の早期発効を目指すことで一致しました。
(5)地域情勢に関しては,両大臣は,シリアをはじめとする中東情勢,北朝鮮をはじめとする東アジア,ロシア・ウクライナ情勢などについて意見交換しました。その中で,北朝鮮の核実験及び弾道ミサイル発射については断固非難することで一致しました。また,南シナ海については,一方的な行動に対する深刻な懸念を共有しました。