フランス共和国
安倍総理大臣とヴァルス・フランス首相との夕食会

(写真提供:内閣広報室)

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本3日,午後7時10分から約90分間,安倍晋三内閣総理大臣は,訪日中のマニュエル・ヴァルス・フランス共和国首相(H.E. Mr. Manuel Valls, Prime Minister, French Republic) を迎えて京都迎賓館において夕食会を実施しました。概要は以下のとおりです。
なお,今回の夕食会は,少人数の非公式なもので,くつろいだ雰囲気の中で行われました。
1 冒頭
安倍総理大臣は,ヴァルス首相の初めての訪日に歓迎の意を述べたのに対し,ヴァルス首相は,この夕食会は友好と友情の証であり,安倍総理大臣のおもてなしに感謝する,オランド大統領からもよろしくとのメッセージを預かっている旨の発言がありました。
2 経済政策
安倍総理大臣から,アベノミクスによって,経済の好循環は着実に回り始めている,引き続き,労働市場の改革や女性の社会参画に取り組んでいきたい旨述べました。ヴァルス首相からは,高い関心が示されるとともに,フランス政府による経済成長と失業率低減に向けた取組について紹介がありました。両者は,経済成長を実現していくためには,困難でも改革に取り組んでいく必要があることを確認しました。
また,安倍総理大臣から,国際都市である東京に加え,文化と伝統を有する京都にお越しいただいたのは良かった旨述べつつ,フランスには及ばないが,日本への観光客も大幅に増加している旨紹介しました。
3 国連総会
ヴァルス首相から,国連総会出席のためにニューヨークを訪問した際の印象を問われ,安倍総理大臣から,難民,気候変動,創設70周年を迎えた国連の改革が関心事であったとしつつ,安保理改革の必要性を述べたところ,ヴァルス首相から,価値観を共有する日本との協力が重要であるとして,改めて日本の常任理事国入りに対する支持が表明されました。
4 地域情勢(欧州の難民問題を含む)
(1)ウクライナ情勢に関し,ヴァルス首相から,10月2日にパリで開催された独仏露ウクライナ首脳会談の結果や今後の見通しについて説明がありました。両者は,引き続き,全ての当事者による「ミンスク合意」の確実な履行を促し,G7の連携を重視しつつ,問題の平和的解決のために緊密に連携していくことで一致しました。
(2)両者は,シリアをはじめとする中東情勢について意見交換を行いました。その際,ヴァルス首相から,欧州における難民問題の現状について紹介があり,両者は,難民問題に対処するためには中東の安定化に向けた取組が重要である点で一致しました。また,ヴァルス首相からは,日本の支援に対する謝意の表明がありました。
(3)安倍総理大臣から,ヴァルス首相からの質問に答える形で,中国や北朝鮮を含む東アジア情勢やロシア情勢等について説明をし,意見交換を行いました。
5 その他
両者は,アフリカにおける日仏協力,原子力安全の分野や第三国における日仏原子力協力を進めていくことで一致しました。