フィンランド共和国
日・フィンランド首脳会談
平成29年7月10日



現地時間7月10日午前10時15分から約50分間、フィンランドを訪問中の安倍総理は、ニーニスト大統領と日・フィンランド首脳会談を行ったところ、概要以下のとおりです。
1 二国間関係
- (1)安倍総理から、コイヴィスト元大統領の逝去に追悼の意を表しました。
- (2)両首脳は、2019年の外交関係100周年に向けて、両国の戦略的関係を一層発展させていくこと、経済、防衛、環境、医療などの分野で協力を強化していくことで一致しました。
- (3)9日に日本の国立環境研究所とフィンランドの国立環境研究所との間で環境協力に関する協力覚書が署名されたことを受け、安倍総理から、今般の環境分野における両国研究機関間の研究協力に関する覚書署名を歓迎する旨述べ、両首脳は、環境分野及び医療分野でも協力を強化していくことで一致しました。
- (4)両首脳は、女性のエンパワーメント分野での協力に関しても一致しました。
2 日EU関係
- (1)日EU関係については、安倍総理から、我々は、自由で開かれた、ルールに基づく国際社会を維持していかなければならない、欧州が、国際社会の諸課題に引き続き日米と共に取り組むパートナーであり続けることを期待する旨述べました。その観点から、強い欧州を支持し、英国のEU離脱後も結束した欧州が国際社会の平和と安定に積極的に貢献していくことを期待する旨述べました。
- (2)英国のEU離脱に関しては、安倍総理から、英国のEU離脱交渉を注視している旨述べつつ、離脱による企業への影響を最小化するよう、配慮を要請しました。
- (3)日EU・EPAに関し、安倍総理からは、保護主義的な動きの中、EPAとSPAの大枠合意を実現できたことは、日本とEUが自由貿易の旗を高く掲げ続けるとの強い政治的意思を示す、世界に対する力強いメッセージである旨述べました。安倍総理から、協定の早期締結に向け、引き続きの協力を求めました。
- (4)これに対しニーニスト大統領からは、ルールに基づく国際社会の維持に賛成するとともに、この観点でも日EU・EPAの大枠合意は重要である、強い欧州を推進したい旨述べました。
- (5)さらに安倍総理から、福島県産等の日本食品等を対象とするEUの輸入規制の撤廃への協力を要請し、先方より、この点はEUともしっかりと協議していきたい旨述べました。
3 北極
- 北極政策について、安倍総理から、フィンランドの北極評議会議長国就任を歓迎し、フィンランドのリーダーシップの下、日本としても北極評議会の活動に一層積極的に貢献していく旨述べました。また、両首脳は、北極の環境保護等で協力を推進していくことで一致しました。
4 地域情勢
- (1)東シナ海・南シナ海情勢について、両首脳は、法の支配に基づく国際秩序の維持のため、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
- (2)北朝鮮について、両首脳は、4日の弾道ミサイル発射も踏まえ、今は対話ではなく、北朝鮮への圧力強化が必要であること、中国の役割が重要である事を確認しました。また、拉致問題については、安倍総理から早期解決に向けた理解と協力を求め、先方の理解を得ました。
- (3)ロシアについては、安倍総理から、7日の日露首脳会談の結果も含めて、最近の日露関係について説明をしました。両首脳は、対露政策を連携して進めていくことを確認しました。