スペイン王国

第17回日本・スペイン・シンポジウム

平成26年11月17日

 6日、スペインのサンタンデールにおいて第17回日本・スペイン・シンポジウムが開催されました。その概要及び成果は以下のとおりです。

1.シンポジウムの概要

(1)今回のシンポジウムの位置づけ

 今回のシンポジウムは、1613年の慶長遣欧使節派遣を起点とする「日本スペイン交流400周年」(以下「交流年」)(2013年6月から2014年7月まで日本とスペイン両国で様々な行事を実施)を通じ、様々な分野における両国関係の活性化されたことを踏まえ開催された。
 開会式では、サエンス・デ・サンタマリア副首相(Soraya Saenz de Santamaria, Vice-President of the Government)及び城内実外務副大臣が挨拶を行うとともに、第一セッションにおいて石原伸晃衆議院議員が冒頭スピーチを行った。
 今回のシンポジウムでは、「交流年」の成果をとりまとめ、両国間の交流活性化のモメンタムを維持するため、具体的にどのような目標を据えるべきかという観点からテーマ設定が行われた。具体的には、「スマートシティと二国間協力の可能性」及び「日本スペイン交流400周年から学んだこと:市民社会から両国の将来を確固たるものとするために」の2つのテーマを設定し、活発な議論が行われた。

(2)開会式

 開会式では、ソラヤ・サエンス・デ・サンタマリア副首相、城内実外務副大臣、横山進一日本側座長(住友生命保険相互会社名誉顧問)及びピケ・スペイン側座長(西日財団理事長)(Josep Piqué i Camps, President of the Spain Japan Council Foundation)等が、それぞれ冒頭挨拶を行った。

 城内外務副大臣は、挨拶において、日本スペイン交流400周年の昨年から今年にかけハイレベルの交流が実現するなど、盛り上がった両国交流の気運を背景にこのシンポジウムが開催されたことに言及した上で、スマートシティや将来の関係強化のための方策について議論することは有意義である旨述べた。また、スペインは、その文化が魅力的であるのみならず、経済力や高い技術を有しており、日本にとって国際社会における良きパートナーとして、政治・安全保障、観光・文化分野、中南米地域における協力、経済関係といった分野を柱に、具体的な協力を積み重ねて行きたい旨述べた。

(3)第一セッション「スマートシティと二国間協力の可能性」

 冒頭,石原伸晃衆議院議員(前環境大臣、日本スペイン友好議員連盟)がスピーチを行った。
 石原議員は,経済産業副大臣当時の2005年の愛知万博でスマートシティ構想に着目して以来,国土交通大臣,環境大臣としてもスマートシティ構想を積極的に推進してきたこと,また日本に「自立分散型エネルギ-・システム」を構築する必要があること,また水素を燃料電池車・燃料電池船を活用した自給自足できるコミュニティー作りの実験について述べた。
 続いて行われたパネルディスカッションでは,日本とスペインでは都市人口の割合がそれぞれ総人口の90%及び75%に達しており、また開発途上国ではこれまでにない速さで都市化が進行している現状に対し,スマートシティの概念が解決策を提示するものとして期待されていることから、省エネ、生活の質、経済活動の効率性の向上を目指し、両国間の今後のスマートシティをめぐる官民協力の可能性について議論が行われた。

(4)第二セッション「日本スペイン交流400周年から学んだこと:市民社会から両国の将来を確固たるものとするために」

 冒頭,佐々木幹夫 三菱商事相談役(日本スペイン交流400周年実行委員会委員長,日西経済合同委員会委員長)他がスピーチを行った。
 佐々木相談役は,「日本スペイン交流400周年」の日本側実行委員会委員長として,同交流年中にスペインで570件を越える事業が実施され,高い評価を受けたことについて報告するとともに,最近の流れとして,両国企業が互いの知見や強みを補完しながら,新しい分野や第三国市場に進出する動きが増えていること,両国の潜在力からすれば,両国間協力にはさらなる発展の余地があることなどを述べた。
 続いて行われたパネルディスカッションでは,「日本スペイン交流400周年」を契機として、特に経済、文化、教育、観光及び科学技術の5分野において、両国協力において具体的成果を上げることを念頭に、それぞれのパネリストが専門分野について見解を述べ、各分野の現状への理解を深めるとともに、さらなる協力関係促進のためにどのような策を講じる必要があるのかについて議論が行われた。

(5)最終報告書の採択

 これらの議論を受けて、最後に、両国の座長名で、両国の政府や経済界に具体的な行動を提案する「最終報告書」(PDF)が採択された。

2.意義と成果

(1)今回のシンポジウムは、昨年から今年にかけて実施された「日本スペイン交流400周年」が成功裡に終了し,両国交流の気運が高まった中での開催となった。 様々なレベル及び分野で交流が活発化した背景には,官民の協力が進展したことが大きな要因の一つである。本シンポジウムでは,交流年で培われた協力の気運を維持し,いかに将来につなげるかという未来志向の議論が行われ,引き続き官民が協力して,両国関係を発展させるという認識と決意が共有された。

(2)両国が共通して取り組むのに有望な分野であるスマートシティについて,専門家の参加を得て,具体的な議論が活発に行われ,本分野で両国の協力を深めることについて,関心の高さがうかがわれた。この分野では,既に複数の協力事案が進展していることや,両国における先進的な事例について紹介されたことにより,日本とスペインが経済的・技術的なパートナーたり得るとの認識が広く共有される結果となった。今後更なる二国間の協力事案につながることが期待される。


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