岸田外務大臣

平成26年5月2日
日デンマーク外相会談
日デンマーク外相会談
ワーキング・ランチ

 デンマークを訪問中の岸田文雄外務大臣は,現地時間1日午前12時頃から約2時間にわたり,リデゴー・デンマーク外務大臣(Martin Lidegaard, Minister for Foreign Affairs of the Kingdom of Denmark)との間で外相会談,ワーキング・ランチを実施しました。やりとりの概要は以下のとおりです。

1 二国間関係

(1)岸田大臣より,日本とデンマークは海洋国家として共通の利益を有している,デンマークの医療や再生エネルギー分野での先進的な取組や,海洋,北極等に関し,今後協力を促進していきたいと述べました。これに対し,リデゴー大臣より,これからの二国間関係を促進させるためのアプローチは,両国で全く同じである,両国はエネルギー,ライフサイエンス,健康等の分野において,世界をリードする技術や実績を持っており,それらの知識の共有は極めて有益であると述べました。

(2)また,両外相は,3月のトーニング=シュミット首相の訪日の際に合意した「成長とイノベーションのための戦略的パートナーシップ」は経済,政治の両面にて今後の二国間関係を進展させる上で重要であることについて確認し,そのフォローアップを着実に進めていくことで一致しました。

2 日欧州協力

 岸田大臣より,日EU・EPA/SPAの早期締結の重要性について指摘したところ,リデゴー外相から,力強い支持の表明があり,また,両外相は,EUの他,NATOを通じた協力拡大の重要性についても認識を共有しました。

3 日本の安保政策

 岸田大臣とリデゴー外相は,「積極的平和主義」の概念とデンマークやEUが進める平和構築分野での統合的・包括的なアプローチが親和的であることにつき一致し,リデゴー外相は,日本の「積極的平和主義」への理解と支持を表明しました。また,両外相は両国が積極的に取り組んでいる海賊対策や軍縮不拡散でも引き続き協働していくことを確認しました。

4 NB8との協力

 両外相は,NB8の果たす役割の重要性を確認し,北極,平和構築,男女同権等を含む様々な分野で,NB8の枠組みを活用して連携を進めていくとの点で意見が一致しました。

5 地域情勢

(1)岸田大臣とリデゴー大臣は,緊迫するウクライナ情勢について意見交換を行い,大統領選挙が成功裏に実施されることの重要性について認識を共有しました。また,両外相は,今後ともOSCEへの支援を含め,緊密に意思疎通を図っていくことで一致しました。

(2)その他,両外相は,シリア,アフガニスタンについても,引き続き国際社会と連携しつつ支援を継続していくことを確認するとともに,東アジア情勢についても意見交換を行いました。


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