安倍総理大臣
日デンマーク首脳会談及び夕食会



本4日午後6時15分から約50分,安倍晋三内閣総理大臣は,訪日中のトーニング=シュミット・デンマーク首相(Mrs. Helle Thorning-Schmidt, Prime Minister of Denmark)と会談し,続いて7時20分から約70分,同首相と夕食会を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭発言
(1)安倍総理から,再生可能エネルギー,女性の社会進出等でデンマークの取組から日本も学ぶ点が多い旨述べつつ,両国は,開かれ安定した海洋と自由貿易に繁栄の基盤を置いてきた共通点を持つところ,本日は,戦略的パートナーとして,政治・安全保障と経済の両面で一層連携を深める方策を議論したい旨述べました。
(2)これに対して,トーニング=シュミット首相から,暖かいおもてなしへの謝意を旨述べつつ,多くの価値を共有する両国は既に重要なパートナー関係にあるが,成長とイノベーションに関するパートナーシップの締結により,政治的にも,経済的にも協力関係が更に進展するだろうと期待を表明しつつ,デンマークは現在交渉が行われている日EU・EPAを強く支持する旨述べました。
2 安全保障・地域情勢
(1)安倍総理から,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」について説明し,デンマークとは,海洋・空域における法の支配について戦略的利益を共有している旨述べたのに対し,トーニング=シュミット首相より,日本が世界の安全保障に対して積極的な役割を演じていることを高く評価しているとした上で,「積極的平和主義」を支持する旨述べました。
(2)安倍総理から,ウクライナ情勢に関して,すべての当事者が自制し,国際法を完全に遵守し,ウクライナの主権と領土の一体性を尊重することを強く求めるとの我が国の立場を説明しました。これに対し,トーニング=シュミット首相は,ウクライナ情勢について日本と同様の認識を示すとともに,ロシアは交渉の席に着くべきであり,また,ウクライナに国際監視団を派遣することを支持する旨述べました。
(3)この他,両首脳は,東アジア情勢についても意見交換しました。
3 二国間関係
(1)安倍総理から,北極についても,様々な枠組みを通じて協力していきたい,また,本日の会談の成果文書として,戦略的パートナーシップを発出したい旨述べました。
(2)これに対して,トーニング=シュミット首相から,戦略的パートナーシップの合意は,両国関係の更なる促進に資するものであり,喜ばしい旨述べました。
4 国際場裡での協力
(1)両首脳は,国連安保理改革に向けて協力を進めることで一致しました。
(2)安倍総理より,北欧・バルト諸国(NB8)との協力の枠組を利用し,今後,平和構築や女性の社会参画,北極等の分野で共に取り組んでいきたい旨述べたのに対して,トーニング=シュミット首相から,NB8と日本との協力が進展していることを歓迎する旨述べました。
5 会談後の夕食会には,日デンマーク友好議連会長である河野太郎衆議院議員等デンマークにゆかりの深い出席者が加わり,経済関係,両国における女性の社会進出に関する取組,エネルギー問題全般等について,和やかな雰囲気の中で懇談が行われました。