ロシア連邦
日露首脳会談
令和元年9月5日

(写真提供:内閣広報室)

(写真提供:内閣広報室)
9月5日,東方経済フォーラム出席のためロシア・ウラジオストクを訪問した安倍総理大臣は,プーチン大統領との間で通算27回目の日露首脳会談を実施したところ,概要は以下の通りです。(全体で約1時間半,うちテタテを約20分)。両首脳は,11月のチリAPEC首脳会議の際に次回会談を実施することで一致しました。
1 平和条約
(1)平和条約締結交渉
- 両首脳は,平和条約締結問題について忌憚のない意見交換を行い,未来志向で作業することを再確認しました。
- 両首脳は,交渉責任者である両外相に対して,双方が受け入れられる解決策を見つけるための共同作業を進めていくよう,改めて指示しました。
- 色丹島の最新水産加工工場の稼働式典へのビデオ中継を通じたプーチン大統領の参加をも念頭に,我が国の立場を伝達しました。
(2)北方四島における共同経済活動
- 両首脳は,6月の首脳会談において一致した観光及びゴミ処理の分野のパイロット・プロジェクトが実施され始めていることを歓迎しました。残りのパイロット・プロジェクト(注)の着実な実施に向けて,引き続き精力的に取り組んでいくことを確認しました。
(注)日本人専門家による北方四島訪問を9月13日~16日に実施する予定です。また,北方四島への観光パイロットツアーは10月中に実施することで日露間で一致しました。
(3)元島民の方々のための人道的措置
- 両首脳は,3年連続での航空機墓参の実現,墓参におけるアクセスが制限された区域への訪問実現及び臨時の追加的な出入域地点の設置を歓迎しました。安倍総理から,来年以降も航空機墓参が毎年実施されるよう働きかけました。
2 経済
- 両首脳は,8項目の「協力プラン」の具体的成果について確認しました。特に,北極LNG2の最終投資決定や,トヨタによるサンクトペテルブルクでの特別投資契約の締結を歓迎しました。
3 安全保障
- 両首脳は,安全保障分野での実務的な協力の進展を歓迎しました。
(1)防衛当局間の協力:湯浅陸上幕僚長の訪露(5月),ロシア軍楽祭への陸自音楽隊の初参加(8月),エフメノフ露海軍総司令官の訪日(11月)
(2)海上警備当局間の協力:岩並海上保安庁長官の訪露及び日露海上警備機関長官級会合の実施(7月),第2回世界海上保安機関長官級会合の実施(11月,東京)
(3)麻薬対策分野:「ドモジェドヴォ研修」(直近5年間で約200人の麻薬対策専門家を養成)
4 国際情勢
- 国際情勢に関して様々なやり取りを行う中で,ロシアのG8復帰についても議論しました。
- 北朝鮮について,最近の情勢を踏まえつつ,日露共通の目標である朝鮮半島の非核化に向けて議論を行い,今後とも緊密に連携していくことを確認しました。
- イランを含む中東地域における緊張の高まりを踏まえ,中東情勢について提起しました。