アジア欧州会合(ASEM)
全体会合第2セッション「連結された世界におけるグローバル課題への対応」(概要)

1 10月16日(木曜日)17時15分~19時15分(現地時間),安倍晋三内閣総理大臣は,ミラノにて開催されたASEM10全体会合第2セッション「連結された世界におけるグローバル課題への対応」に出席しました。同セッションでは,議題である開発アジェンダ,防災,気候変動,食料・水・エネルギーの安全保障,女性や障害者の権利・エンパワーメント等,グローバル課題への対応について意見交換が行われました。
2 安倍総理は,冒頭,エボラ出血熱に関する我が国対応について述べた後,「2015年」をキーワードに,(1)ポスト2015年開発目標やポスト兵庫行動枠組の策定,(2)「女性が輝く社会」づくりの推進,(3)気候変動分野における我が国取組について説明し,これら3つの分野に共通するのは人を思いやり,約束を守り,行動する,人間を中心に据えた思想であり,「積極的平和主義」の立場から,幅広いグローバル課題に対してより一層貢献を行う旨発信しました。
具体的には,ポスト2015年開発目標等については,人間の安全保障の理念を重視しつつ,「包摂性」,「持続可能性」,「強靱性」を考慮すべきこと,その観点から,日本は特に,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとともに,第3回国連防災世界会議の開催を含め,防災の主流化を主導していくことを述べました。また,「女性が輝く社会」づくりの推進については,9月に,世界24か国から女性分野で活躍するトップリーダー達の参加を得て「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」を東京で開催したことを紹介し,日本は,今後とも世界の女性のエンパワーメントのため,国際社会への支援を含めリーダーシップを発揮していく旨アピールしました。最後に,気候変動への対応に関しては,日本は,(ア)途上国支援,(イ)技術革新と普及,(ウ)国際枠組みへの貢献の3つを柱とする取組を推進していく旨発言しました。
3 本セッションでは,韓国,ベトナム,マルタの首脳がリードスピーカーとして発言し,その後,我が国を含む首脳等をはじめ,参加各国代表から発言が行われました。
気候変動について多くの発言がなされ,2015年のCOPの合意に向けて議論を深めるべきだという意見もありました。防災についても活発な発言が行われ,特に,複数の首脳より,3月に仙台で開かれる第3回国連防災世界会議が非常に重要であること,いわゆる復旧での国際的協力や,それ以前の問題としての脆弱性の克服が必要であること等について言及がありました。
また,文化・教育分野における連携や,人的交流の重要性についても指摘があり,観光によるお互いの文化理解の促進,宗教間の対話等について意見が述べられました。更に,デジタル分野における連携として,サイバー・セキュリティーに関する協力や,域内でのブロードバンド・コリドーの構築等について提案がありました。
この他,貧困撲滅に向けた取組,エボラ出血熱への対応,ISILへの対応についても意見が述べられました。