アジア欧州会合(ASEM)

平成26年10月16日
(写真提供:内閣広報室)

1 10月16日(木曜日)15時15分~17時15分(現地時間),安倍晋三内閣総理大臣は,ミラノにて開催されたASEM10全体会合第1セッション「経済と金融に関する課題」に出席しました。同セッションでは,議題である経済再生・財政再建,及び欧州・アジアの連結性の向上等について意見交換が行われました。

2 安倍総理は,本セッションのリードスピーカーとして,本会合の議長であるファンロンパイ欧州理事会議長の冒頭発言に続いて発言しました。

 内容は,本セッションのテーマを踏まえて,(1)日本を含むアジアと欧州が世界経済を牽引するエンジンたるべく,経済・財政両面の改革が不可欠であることを発信し,(2)日本は,アベノミクスの「3本の矢」により成果を挙げていることを,具体的な数字とともに説明しました。また,(3)アジアと欧州の成長には両地域間の連結性を高めることが重要であり,6月改訂の成長戦略は,『貿易・投資』を通じて,『インフラ』を土台に,そして『ヒトのチカラ』によって,更には地方レベルで,アジアと欧州をつなげることにも資する旨述べました。

 具体的には,(ア)貿易・投資については,経済連携の促進,コーポレートガバナンスの強化や法人実効税率の引き下げ等,(イ)インフラについては,交通・エネルギーインフラ等の整備において安全・信頼の日本印を世界にお届けする取組等,(ウ)ヒトについては,そして高度な能力を有する外国人,技術を学ぶ外国人,観光客をはじめ,欧州・アジアと日本との間でヒトの流れを促進する措置等を紹介しました。

3 安倍総理に続いて,リードスピーカーとして,フランス,中国,フィンランドの首脳が発言し,その後,首脳等をはじめ,参加各国代表より発言が行われました。

 特に,経済成長をしっかりと進めていく必要があること,連結性を強化すべく,そのためのインフラ整備に注力すべきこと,持続可能な成長と包摂性,それを通じた環境と成長の両立や,貧困対策・若者の雇用促進が重要であることについて,多くの意見が述べられました。アジアとヨーロッパには経済危機を経験した国が複数あるが,経済危機を乗り切るためには改革とリーダーシップが不可欠であるとの指摘もなされました。

 また,自由貿易の重要性,特にEUとアジアの国々のFTAの重要性について言及があるとともに,自由貿易体制をEUとアジアの間で構築することによって,アジアはEUの先端技術を,EUは成長するアジアのマーケットを活用でき,お互いウィン・ウィンである旨の発言もありました。

 さらに,国際法の遵守,人身売買の問題,平和と安定の重要性,安倍総理と同様に女性の活躍,インターネットの活用やサイバー・セキュリティに関する課題,原子力の安全性等についての言及がありました。


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