岸田外務大臣

平成26年1月22日

 1月22日(水曜日),ジュネーブ2会議出席のためスイスを訪問中の岸田文雄外務大臣は,12時(現地時間)から約20分間,キャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長(Baroness Catherine Ashton, High Representative of the Union for Foreign and Security Policy, Vice-President of the European Commission)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1.日EU関係

 岸田大臣から,昨年はイランの核問題等で緊密に連携できた,今年もEUとも緊密に連携して,国際社会の課題に対処していきたい,日EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)及び日EU・EPAの早期締結に向けた協力を含め,前回定期首脳協議での合意事項を着実に実施していきたい旨述べました。これに対しアシュトン上級代表から,日EU間で様々な課題に引き続き緊密に連携して対処していきたい旨述べました。

2.地域情勢

(1)シリア
 岸田大臣から,暴力の停止と政治対話の促進,劣悪な人道状況の改善は引き続き喫緊の課題である,日本は1.2億ドルの追加支援を合わせ,これまでに総額約4億ドルの人道支援を表明しており,強い決意をもって人道支援,政治対話の貢献に責任をもって取り組んでいきたい旨述べました。
 これに対しアシュトン上級代表から,日本からのシリア国民および周辺国への多大な支援に感謝と敬意を表したい,日本が本件に強い決意をもって取り組んでいることをEUとして歓迎している旨述べました。

(2)イラン
 岸田大臣から,核問題を巡る合意を歓迎し,アシュトン上級代表のリーダーシップを評価している旨述べたところ,アシュトン上級代表から日本の協力に対し感謝の意が表されました。 続いて岸田大臣から,1月20日から第1段階の措置が開始されたことは喜ばしいが,着実に履行されることが重要である,最終段階の措置の合意に至るよう,更なる努力が払われることを期待している旨述べ,アシュトン上級代表からも同様の認識が示されました。
 さらに岸田大臣から,日本は,イラン側の合意実施を確認しつつ,第1段階の措置の履行のみならず,最終段階の措置の合意・履行においても役割を果たしていく考えであり,今後ともイランに働きかけていく,引き続きEUと良く連携していきたい旨述べました。これに対し,アシュトン上級代表からこうした日本の努力を歓迎する旨述べ,今後ともイラン問題に関して日EU間で緊密に連携していくことで一致しました。

3.その他

 両外相は,東アジア情勢等についても意見交換を行いました。


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