安倍総理大臣
日・カザフスタン首脳会談(概要)

3月24日午前10時頃から約50分間,安倍総理は,核セキュリティ・サミットに出席するため訪問中のオランダ・ハーグにおいて,ナザルバエフ・カザフスタン大統領と首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 二国間関係
(1)安倍総理から,昨年9月のG20首脳会議でお会いして以来であると触れた上で,両国の経済関係は今や戦略的な段階にまで高まっている旨述べました。
(2)また,安倍総理から,カザフスタンの国際社会における存在感の増大やアフガニスタンの安定における役割を高く評価するとともに,「中央アジア+日本」対話での協力を期待したい,唯一の戦争被爆国である日本として「核のない世界」の実現に向けた大統領の指導力に敬意を表する旨述べました。
(3)これに対し,ナザルバエフ大統領から,日本もカザフスタンも核の影響を受けた国である,セミパラチンスク核実験場で150万人が影響を受けており,これに関する日本国民及び日本からの協力に感謝する旨述べました。
(4)ナザルバエフ大統領から安倍総理に対しカザフスタン訪問招請があり,安倍総理から,ご招待に感謝する,今後具体的な時期を調整していきたいと応答しました。
2 経済関係強化
(1)安倍総理から,2050年までに先進30カ国入りを目指すカザフスタンに対し,人材育成や高度技術といった日本が得意とする分野でカザフスタンの発展に役立っていきたい旨を述べました。
(2)ナザルバエフ大統領からは,最近の日本との間では様々な分野,例えばウラン,レアメタル,製造業といった分野での経済関係の進展を歓迎するとともに,原子力分野を含め協力を一層深化させたい旨の発言がありました。
(3)原子力発電所の建設への協力について,安倍総理から,福島の経験を踏まえた安全性の高い技術の提供など,日本からの支援について言及しました。これに対して,ナザルバエフ大統領からは,日本の技術に対する高い関心が示されました。
3 「中央アジア+日本」対話
安倍総理から,本年10周年を迎える「中央アジア+日本」対話の枠組みについて,農業分野での地域協力のほか,「積極的平和主義」の観点から,今後のアフガニスタン情勢を見据え,麻薬対策等で連携を図ることは極めて重要である点を指摘しました。
4 地域情勢
(1)ウクライナ情勢
ア 両首脳はウクライナ情勢について意見を交わし,安倍総理からは日本の立場について説明しました。
イ これに対しナザルバエフ大統領から,日本もウクライナもロシアの隣国という立場にある,クリミアをめぐる日本の姿勢に対しては理解を示しつつ,国際法に基づく解決の重要性について発言がありました。
(2)北朝鮮
安倍総理より,日本が北朝鮮人権状況決議案をEUと共同で人権理事国に提出したことについて説明し,ナザルバエフ大統領より,日本の立場を理解し支持する旨発言がありました。