「V4+日本」対話・協力
茂木外務大臣のポーランド訪問
第7回「V4+日本」外相会合

ポーランドを訪問中の茂木敏充外務大臣は、現地時間5月7日午前10時15分(日本時間同日午後5時15分)から2時間30分、第7回「V4+日本」外相会合に出席したところ、概要は以下のとおりです。
(V4側:ラウ・ポーランド外務大臣(V4議長)(H.E. Prof. Zbigniew RAU, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Poland)、シーヤールトー・ハンガリー外務貿易大臣(H.E. Mr. Péter SZIJJÁRTÓ, Minister of Foreign Affairs and Trade of Hungary)、コルチョク・スロバキア外務・欧州問題大臣(H.E. Mr. Ivan KORČOK, Minister of Foreign and European Affairs of the Slovak Republic)、クルハーネク・チェコ外務大臣(H.E. Mr. Jakub KULHÁNEK, Minister of Foreign Affairs of the Czech Republic)。)
1 冒頭
議長のラウ・ポーランド外相から、V4発足30周年の記念すべき年に、「V4+日本」外相会合を開催できることは喜ばしく、「V4+日本」協力を一層推進していきたい旨述べました。茂木大臣から、国際社会がコロナ禍の下で、保護主義、力による一方的な現状変更の試み等の挑戦に直面する中、EUで存在感を増すV4との協力を重視している旨述べました。
2 「V4+日本」協力
茂木大臣とV4各国外相は、サイバーセキュリティ、連結性をテーマとした「V4+日本」セミナー、西バルカン支援、科学技術共同研究、シンクタンク間の連携等、最近の主要な「V4+日本」協力の成果を確認し、協力の継続と強化につき一致しました。特に西バルカン支援については、新たな協力案件の形成に向け、西バルカン諸国所在の各国公館の間で意思疎通を図っていくことで一致しました。
3 日EU協力・連結性
茂木大臣とV4各国外相は、持続可能な連結性、質の高いインフラ、地球規模課題を中心に、日EU協力を進めていくことで一致しました。V4側から、ポーランドの主導する「三海域イニシアティブ」に対する日本の協力への期待が表明され、茂木大臣から、日本の関与を検討していく旨述べました。
また、新型コロナ対策についてワクチンへの公平なアクセスやWHO改革等での協力を推進していくことで一致しました。
さらに、茂木大臣から、東日本大震災後にとられた日本産食品に対するEUの輸入規制措置について、撤廃に向けた協力を要請しました。
4 自由で開かれたインド太平洋
茂木大臣から、「インド太平洋における協力のためのEU戦略」を、EUのインド太平洋への関与の強い意思として歓迎するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」に向け、EUにおける「共同コミュニケーション」策定へのV4の積極的な貢献に期待する旨述べました。これに対し、V4側から、日本とも連携しつつ、EUによる「共同コミュニケーション」の策定に建設的に貢献していく姿勢が示されました。
5 中国・北朝鮮
茂木大臣から、海警法を含め東シナ海・南シナ海における一方的な現状変更の試みの継続・強化、また、香港・新疆ウイグル自治区の状況について深刻な懸念を表明しました。各国外相は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくことの重要性について一致しました。各国外相は、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄に向け、安保理決議の完全な履行を確認するとともに、茂木大臣から、拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を求めました。
[参考1]V4(ヴィシェグラード4)
ポーランド(現議長国)、ハンガリー、スロバキア及びチェコによる地域協力の枠組み。1991年にハンガリーのヴィシェグラードで創設された。首脳、外相、高級事務レベルの対話に加えて、科学技術、第三国支援、防災、環境等の幅広い分野で「V4+日本」の協力が進められている。
[参考2] 三海域イニシアティブ
2015年に中・東欧・バルト地域における南北の連結性強化及び東西格差の縮小を目的として、ポーランドとクロアチアの主導により発足。三海域(バルト海、黒海及びアドリア海)に囲まれた地域のエネルギー、交通・運輸、通信・デジタル等の分野におけるインフラ整備を推進している。現在、V4の4か国を含む12か国が参加している。