G20(金融・世界経済に関する首脳会合)

令和4年9月5日
インドネシア閣僚と握手する高木大臣政務官
会合で発言する高木大臣政務官がスクリーンに映し出される様子

 9月2日、髙木啓外務大臣政務官は、インドネシア共和国のバリにて開催されたG20エネルギー移行大臣会合に出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 会合出席者等

 会合は、インドネシアのアリフィン・タスリフ・エネルギー鉱物資源大臣(H.E. Arifin Tasrif, Ministry of Energy and Mineral Resources, Republic of Indonesia)が議長を務め、G20及び招待国、国際機関の代表らが出席しました。我が国からは、西村康稔経済産業大臣と髙木政務官が出席しました。また、髙木政務官は、同会合の枠組みにおいて、インドネシア・エネルギー鉱物資源省及び国際エネルギー機関の共催で実施された「インドネシアのネットゼロ排出へのエネルギー・セクターロードマップ」にも出席しました。さらに国際エネルギー機関(IEA)、石油輸出国機構(OPEC)、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)及び国際エネルギー・フォーラム(IEF)の各事務局長及びデービット・M・ターク米国エネルギー省副長官(Mr. David M. Turk, Deputy Secretary, U.S. Department of Energy)との会談を行いました。

2 会合概要及び髙木政務官の発言

 今次会合では、世界規模の経済・エネルギー展望、エネルギー移行の加速とエネルギー・アクセス、テクノロジー、ファイナンス等について議論が行われました。髙木政務官は、エネルギー価格の高騰により先進国、途上国を問わず脆弱な人々の生活を圧迫しており、エネルギー・アクセスの確保が喫緊の課題となっていることを指摘するとともに、廉価なエネルギーへのアクセスはベーシックヒューマンニーズであると述べました。また、髙木政務官は、今回のエネルギー危機によりエネルギー安全保障の重要性が再認識される中、エネルギー安全保障については国家単位ではなく、人の単位で、ひとりひとりにエネルギーが行き渡るべきであり、エネルギー安全保障の確保をエネルギー移行の加速化の基盤としていくことが重要である旨強調しました。

3 「インドネシアのネットゼロ排出へのエネルギー・セクターロードマップ」への髙木政務官の出席

「インドネシアのネットゼロ排出へのエネルギー・セクターロードマップ」で発言する高木大臣政務官
「インドネシアのネットゼロ排出へのエネルギー・セクターロードマップ」会場の様子

 髙木政務官は、インドネシア・エネルギー鉱物資源省及び国際エネルギー機関(IEA)の共催で実施された「インドネシアにおけるネットゼロ排出にむけたエネルギー・セクターロードマップ」に出席しました。髙木政務官は、エネルギー移行を推進するにあたっても、人類共有の重要課題である脱炭素化を実現する過程において、脆弱な社会・人々を取り残してはならず、エネルギー安全保障を確保することでエネルギー移行の加速化の基盤としていくことが重要である旨述べるとともに、この観点から、各国がネットゼロに向けたロードマップを作成し、その取組を実施していくこと、IEAが各国の取組を支援していくことを歓迎したい旨発言しました。

4 髙木政務官と各国・国際機関要人との会談

(1)ファティ・ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長との会談

ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長と握手する高木外務大臣政務官
ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長との会談の様子

 髙木政務官は、ファティ・ビロルIEA事務局長(Dr. Fatih Birol, Executive Director of International Energy Agency, IEA)との会談を行いました。髙木政務官から、エネルギー危機においてIEAの果たす役割がますます大きくなっており、ビロル事務局長のリーダーシップに期待したい旨述べるとともに、我が国としても、IEAの諸活動を引き続き積極的に支援していく旨述べました。
 これに対し、ビロル事務局長からは、日本のIEAに対する貢献への謝意が伝えられるとともに、今後の日本とIEAとの更なる協力関係の強化を期待する旨が述べられました。

(2)ハイサム・アル・ガイス石油輸出国機構(OPEC)事務局長との会談

アル・ガイスOPEC事務局長と握手する高木外務大臣政務官
アル・ガイスOPEC事務局長との会談の様子

 髙木政務官は、ハイサム・アル・ガイスOPEC事務局長(H.E. Haitham Al-Ghais, Secretary General of Organization of the Petroleum Exporting Countries, OPEC)との会談を行いました。髙木政務官から、国際原油市場の安定化に向けた協力をお願いするとともに、今後も生産国と消費国の対話など連携をより一層強化していきたい旨述べました。
 これに対し、アル・ガイス事務局長からは、より一層市場の安定に向け取り組んでいく旨発言がありました。

(3)フランチェスコ・ラ・カメラ国際再生可能エネルギー機関(IRENA)事務局長との会談

フランチェスコ・ラ・カメラIRENA事務局長と握手する高木外務大臣政務官
フランチェスコ・ラ・カメラIRENA事務局長図の会談の様子

 髙木政務官は、フランチェスコ・ラ・カメラIRENA事務局長(Mr. Francesco La Camera,Director General of International Renewable Energy Agency, IRENA)との会談を行いました。
 髙木政務官から、我が国の高い技術とIRENAによる優れた政策支援を組み合わせることで、各国の事情に応じた脱炭素化を実現できると期待しており、今後も連携をより一層強化していきたい旨述べました。これに対し、フランチェスコ・ラ・カメラ事務局長からは、日本のIRENAに対する貢献への謝意が伝えられるとともに、今後の日本とIRENAとの更なる協力関係の強化を期待する旨の発言がありました。

(4)マクモニグル国際エネルギー・フォーラム(IEF)事務局長との会談

マクモニグルIEF事務局長と握手する高木外務大臣政務官
マクモニグルIEF事務局長図の会談の様子

 髙木政務官は、マクモニグルIEF事務局長(Mr. Joseph McMonigle, Secretary General, International Energy Forum, IEF)と会談を行いました。髙木政務官からは、昨今のエネルギー需給のひっ迫は、地政学的なリスクの高まりに加え、産出国と消費国や投資家等の関係者での対話が不足していることが要因の一つと考えており、産消対話を担うIEFに期待する役割はかつてなく大きい旨述べました。
 これに対し、マクモニグル事務局長から、日本のIEFに対する貢献への謝意が述べられるとともに、来年に予定される閣僚理事会を含め、より一層加盟国と連携して産消対話を推進することで市場の安定に向け取り組んでいく旨言及がありました。また、昨今の価格高騰の背景には化石燃料の上流資源開発への投資不足も影響しており、脱炭素化への取組促進と同時に、引き続き上流投資の必要性についても、産消対話を通じて促進していく旨発言がありました。 両者は、今後も、エネルギー市場の安定に向けて連携を一層強化することで合意しました。

(5)デービット・M・ターク米国エネルギー省副長官との会談

ターク米国エネルギー省副長官と握手する高木外務大臣政務官
ターク米国エネルギー省副長官図の会談の様子

 髙木政務官は、デービット・M・ターク米国エネルギー省副長官(Mr. David M. Turk, Deputy Secretary, U.S. Department of Energy)との会談を行いました。髙木政務官から、世界的なエネルギー安全保障の危機に対応していくために日米の協力は非常に重要であり、一層緊密に連携していきたい旨発言しました。これに対し、デービット・M・ターク米国エネルギー省副長官からは、エネルギー危機に対応していくために日米間の緊密な連携が必要である旨発言がありました。

[参考1]G20エネルギー移行大臣会合への参加国、機関
  • (1)参加国等:G20各国及び招待国
  • (2)招待国際機関等:IEA(国際エネルギー機関)、IEF(国際エネルギー・フォーラム)、IRENA(国際再生可能エネルギー機関)、OECD(経済協力開発機構)、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)、UNEP(国連環境計画)、SEforALL(万人のための持続可能なエネルギー)他
[参考2]IEA(国際エネルギー機関)概要

 第1次石油危機後の1974年に、キッシンジャー米国務長官(当時)の提唱を受けて、OECDの枠内における自律的な機関として設立された国際機関。エネルギー安全保障の確保、経済成長、環境保護、世界的なエンゲージメントを目的とする。

[参考3]OPEC(石油輸出国機構)概要

 1960年に、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5か国がメジャーズに対し共同行動をとること等を目的として設立。加盟国の石油政策の調整及び一元化、加盟国の利益を個別及び全体的に守るため最良の手段の決定、国際石油市場における価格の安定を確保するための手段などを講じることを目的とする。

[参考4]IEF(国際エネルギー・フォーラム)概要

 石油・ガス等の産出国と消費国が閣僚レベルで、エネルギー市場の安定等について非公式な対話を行う枠組。産消国双方が相互に理解を深め、健全な世界経済の実現や供給と需要の安定確保のために安定的かつ透明性のあるエネルギー市場を促進することを目的とする。

[参考5]IRENA(国際再生可能エネルギー機関)概要

 再生可能エネルギー(太陽、風力、バイオマス、地熱、水力、海洋利用等)の普及及び持続可能な利用の促進を目的として、2011年4月に設立された国際機関。

[参考6]「G20エネルギー移行大臣会合における髙木政務官のスピーチ」(PDF)別ウィンドウで開く

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