経済協力開発機構(OECD)
コーマン経済協力開発機構(OECD)事務総長の訪日(概要と評価)
令和5年1月26日


マティアス・コーマンOECD事務総長が、1月23日から24日までの日程で、外務省賓客として訪日したところ、概要及び評価は以下のとおりです。
1 概要・主要日程
(1)概要
- ア 今次訪日は、コーマンOECD事務総長にとって事務総長就任後初の訪日。
- イ 岸田総理大臣表敬、林外務大臣主催ワーキングランチ等、7閣僚と会談。
- ウ OECD議員連盟(会長:二階俊博衆議院議員)、麻生自民党副総裁と面会。
- エ 十倉経団連会長と意見交換。
(2)主要日程
- ア 1月23日
- 十倉経団連会長との意見交換
- 河野デジタル大臣との会談
- 岸田総理大臣表敬
- 松本総務大臣との夕食会
- イ 1月24日
- 西村経済産業大臣との会談
- 林外務大臣とのワーキングランチ
- OECD・ERIA議員連盟及びERIAとの面会
- 鈴木財務大臣との会談
- 後藤内閣府特命担当大臣(経済財政政策)との会談
- 西村経済産業大臣との会談
2 評価
各閣僚との会談における主な成果は以下のとおり。
(1)岸田総理大臣表敬
- ア 総理から、自らが議長を務めるG7広島サミットでは、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというG7の決意を明確に示したいと述べた。
- イ コーマン事務総長からは、日本の考えに対する同意が示されるとともに、G7各種会合の成功に向けてOECDも緊密に協力していくとの考えが表明された。
(2)林外務大臣主催ワーキングランチ
- ア 日本のOECD加盟60周年にあたる2024年に向けて、日本とOECDの協力・連携を更に推進していくことで一致した。
- イ 林大臣から、インド太平洋地域へのOECDの関与を増大させることの重要性を強調し、「東南アジア地域プログラム(SEARP)」等を通じて、OECDの東南アジアへのアウトリーチを支援していく旨述べた。コーマン事務総長から、東南アジア地域からの将来的な加盟も見据えて、この地域へのアウトリーチを強化していく、また、OECD東京センターを積極的に活用していくとの考えが示された。
(3)河野デジタル大臣との会談

「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」の具体化に向けた連携や、G7に向けて民主主義の価値を共にする有志国の協力・グローバルサウスへの巻き込みの必要性などについて意見交換を行った。
(4)松本総務大臣との夕食会

- ア 情報通信及びデジタル経済におけるOECDとの関係を更に強化していくことを確認した。
- イ 本年4月に開催されるG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合に向けてOECDと連携していくことで一致した。
(5)西村経済産業大臣との会談

貿易、デジタル、気候等の分野における、今年のG7を含めた今後のOECDと日本のより一層の連携を強化していくとの認識で一致した。
(6)鈴木財務大臣との会談

日本がG7の議長国を務める本年、経済安全保障、気候変動、コーポレートガバナンス、国際課税などの様々な重要課題について、OECDの知見を活かして議論を進めるために意見交換を行った。
(7)後藤内閣府特命担当大臣
マクロ経済政策や、新しい資本主義の考え方とその取組、OECDとの協力関係について、意見交換を行った。