経済協力開発機構(OECD)

令和3年6月2日
テレビ会議形式のOECD閣僚理事会で発言する鷲尾外務副大臣

 5月31日及び6月1日、OECD閣僚理事会(Meeting of the Council at Ministerial Level:MCM)がテレビ会議形式で開催され、我が国から、西村経済財政政策担当大臣及び鷲尾外務副大臣が参加したところ、結果概要は以下のとおりです。

【ポイント】
  • 今回の閣僚理事会は、新旧事務総長参加の下で行われ、議長国は米国、副議長国は韓国及びルクセンブルクが務めました。「共通の価値:グリーンで包摂的な未来の構築」をテーマにOECD加盟国38か国の閣僚等が議論を行いました。
  • 鷲尾外務副大臣は、コーマン新事務総長への祝意を述べるとともに、OECDのルール・スタンダード作りへの期待、G20を始め他の機関との連携の重要性、東南アジアへのアウトリーチ強化の重要性を発信したほか、菅政権の優先課題である「デジタル化の推進」や「グリーン社会の実現」について紹介しました。
  • 今回の閣僚理事会では、多くの参加者から、国際協力・連携及び多国間主義の重要性が改めて強調されるとともに、コロナ危機への対応にあたり、OECDのエビデンスに基づく分析や政策提言、ルール作りという役割の重要性が指摘されました。また、多くの国がデジタル経済への対応やグリーン社会の実現に向けたOECDの貢献への期待を表明し、デジタル課税の議論を重視する意見が示されました。また、グリア前事務総長の過去15年にわたる功績について多くの謝意が示されるとともに、本年5月に新規加盟を果たしたコスタリカを歓迎する発言が相次ぎました。
  • 会合の最後に、閣僚理事会開催の事実や関連文書の採決等の事実関係及び新旧事務総長への言及を含む「閣僚声明」が発出されました。なお、本年秋頃にOECD閣僚理事会第2部が予定されています。

1 参加国・機関

 OECD加盟国:38か国(議長国:米国、副議長国:韓国、ルクセンブルク)
 その他:EU、BIAC、TUAC

2 主な議題と概要

 今回の閣僚理事会は、「共通の価値:グリーンで包摂的な未来の構築」(Shared Values: Building a Green and Inclusive Future)をテーマに開催されました。
 初日は、開会及び「経済見通し(エコノミックアウトルック)」に関する事務局発表の後、「コロナへの対応」に関する関係閣僚等による議論が行われ、2日目は、新旧事務総長交代式が行われた後、コーマン新事務総長に対する各国の優先課題について、関係閣僚等による意見交換が行われました。また、成果文書として、閣僚声明(仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)が採択されました。
 

(1)開会及び「コロナへの対応」に関する議論(5月31日、西村経済財政政策担当大臣参加)

  • ア 冒頭、開会挨拶としてブリンケン米国務長官(事前収録ビデオ)は、OECD加盟国は共通の価値に改めてコミットする時であり、OECDは将来の危機に迅速に対応するための各国の取組を後押しするのに適した機関であると述べ、続いてグリア事務総長から、コロナ危機は「より良い回復」の機会を生み出しており、OECDが最も必要とされている時である、また、コスタリカのOECD加盟を歓迎する旨発言がありました。
  • イ 西村経済財政政策担当大臣は、日本の新型コロナウイルス対応や経済の状況、ポストコロナ時代の新しい成長の実現に向けた取組について発言しました。

(2)コーマン新事務総長の紹介及び同事務総長に対する各国の優先課題の伝達(6月1日、鷲尾外務副大臣参加)

  • ア 冒頭、コーマン新事務総長から、OECDは民主主義や人権、法の支配、市場経済原則、公平な競争条件(LPF)の確保といった価値へのコミットメントを共有し、この60年間その擁護者であり続けた、コロナ危機は特に環境問題について、我々の政策をより持続可能な形で見直す機会となった、また、コロナ危機で加速化するデジタル化の機会も活かすべきである旨発言がありました。その上で、インド太平洋地域を含むアウトリーチやG7、G20やAPECといったフォーラムとの協力の重要性が強調され、また、ASEANや中国を含むOECDの対外関係戦略について議論していきたいとの発言がありました。
  • イ 鷲尾外務副大臣は、コーマン新事務総長への祝意を述べるとともに、OECDのルール・スタンダード作りへの期待、G20を始め他の機関との連携の重要性、東南アジアへのアウトリーチ強化の重要性を発信したほか、菅政権の優先課題である「デジタル化の推進」や「グリーン社会の実現」について紹介しました。(ビデオメッセージ動画別ウィンドウで開く

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