世界貿易機関(WTO)

令和4年11月2日
(写真1)表敬を前に、オコンジョ=イウェアラ世界貿易機関(WTO)事務局長と記念撮影を行う岸田総理大臣 表敬を受ける岸田総理 (写真提供:内閣広報室)
(写真2)オコンジョ=イウェアラ世界貿易機関(WTO)事務局長と握手する林外務大臣 林外務大臣とのワーキングディナー

 ゴズィ・オコンジョ=イウェアラ世界貿易機関(WTO)事務局長(Dr. Ngozi OKONJO-IWEALA, Director-General of the World Trade Organization)は、10月18日から20日までの日程で外務省賓客として訪日したところ、概要は以下のとおりです。

1 主要日程

10月18日

  • 西村経済産業大臣との会談

10月19日

  • プレスによる個別インタビュー
  • 日本経済団体連合会での講演及び意見交換
  • 日本国際問題研究所での公開ウェビナー
  • 茂木自民党幹事長との会談
  • 麻生自民党副総裁との会談
  • 岸田総理大臣への表敬
  • 林外務大臣とのワーキングディナー

10月20日

  • ビジネス及び開発関係者等との意見交換
  • プレスによる個別インタビュー

2 岸田総理大臣表敬(10月19日)概要

  • (1)冒頭、岸田総理大臣から、訪日を歓迎し、オコンジョ=イウェアラ事務局長のリーダーシップ及び本年6月の第12回WTO閣僚会議(MC12)の成果を評価しており、引き続き日本はWTOでの議論に積極的に貢献していく旨述べました。
  • (2)これに対し、オコンジョ=イウェアラ事務局長から、課題は山積しているがWTOは成果を出す必要があり、そのためにも各加盟国の協力が重要、来年G7議長国である日本の役割に期待する旨述べました。
  • (3)双方は、貿易を取り巻く環境が大きく変化する中、WTOが時代に即した機能を発揮できるよう、次回WTO閣僚会議(MC13)に向けて引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

3 林外務大臣とのワーキングディナー(10月19日)概要

  • (1)冒頭、林大臣から、訪日を歓迎すると共に、オコンジョ=イウェアラ事務局長の出身国であるナイジェリア連邦共和国での洪水被害についてお見舞いの言葉を述べたのに対し、オコンジョ=イウェアラ事務局長は感謝の意を述べました。
  • (2)林大臣から、本年6月の第12回WTO閣僚会議(MC12)において、漁業補助金協定交渉の妥結や、パンデミックや食料不安に対する対応を示したことを歓迎しつつ、貿易を取り巻く国際環境が大きく変化する中、ルールに基づく自由で公正な多角的貿易体制の維持・強化に取り組んでいく必要性はこれまで以上に高まっている旨述べました。その上で、林大臣から、紛争解決制度を含むWTO改革や、電子商取引交渉を含む各ルール交渉の推進等において、引き続き主体的に議論に貢献していく旨述べました。また、林大臣は、来年はG7議長国として貿易大臣会合での議論を進める上でも、WTOとさらに緊密に連携していきたいと述べました。
  • (3)これに対しオコンジョ=イウェアラ事務局長から、次回WTO閣僚会議(MC13)に向けて、MC12での合意事項に基づきWTO改革をはじめとする議論を着実に進めていく必要があり、また、特に漁業補助金協定の早期発効が重要である旨を述べ、その上で、WTOでの議論が加速するようG7議長国の日本に期待している旨述べました。また、オコンジョ=イウェアラ事務局長は、パンデミックやロシアによるウクライナ侵略で顕在化したサプライチェーンの強靱化に関して、途上国を含むより多くの国がグローバルな貿易に参画できるようにすることが重要であると強調しました。
  • (4)双方は、WTOが時代に即した機能を十分に発揮し、自由で開かれた経済秩序の構築や国際社会の現状に即したルールの形成に向けて協力していくことで一致しました。

4 日本経済団体連合会での講演及び意見交換(10月19日)概要

 オコンジョ=イウェアラ事務局長は、経団連を訪問し、十倉雅和経団連会長及び経団連通商政策委員会のメンバー企業と懇談を行いました。懇談では、国際経済秩序を揺るがす事案が生じている中で、途上国を含めた経済成長のための投資・貿易の活性化、サプライチェーンの強靱化、WTO改革等について、活発な意見交換が行われました。

5 日本国際問題研究所での公開ウェビナー(10月19日)概要

 オコンジョ=イウェアラ事務局長は、日本国際問題研究所において、同研究所主催のフォーラム「グローバル化の新たな時代:WTOは新たな国際環境にいかに貢献できるか」に出席し、基調講演を行いました。続いて、佐々江賢一郎同研究所理事長、鈴木庸一元駐フランス大使、福永有夏早稲田大学教授によるパネルディスカッション、参加者との質疑応答が行われました。このフォーラムの模様は、オンラインにて同時配信されました。

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