国際的ルール作りと政策協調の推進
新型コロナウイルスへの対応と貿易に関するWTO・IMF共同声明
令和2年4月27日
4月24日(現地時間),新型コロナウイルスへの対応と貿易に関するアゼベドWTO事務局長とゲオルギエバIMF専務理事による共同声明が発出されましたところ,その概要は以下のとおりです。なお,共同声明の全文はWTOのホームページでご確認頂けます。
- 世界的な保健・経済危機への対応が進む中,我々は,ウイルスを打倒し,雇用を回復し,経済成長を再び活気づけるため,開かれた貿易政策の役割に注目するよう呼びかける。特に,輸出規制,そして医療品や食料の貿易を制限するその他の行動の増加により,供給に混乱が生じることを懸念。
- WTOルールは,輸出国が「危機的な不足を防止し、又は緩和するために」一時的な輸出規制を実施することを認めている。我々は,現在の状況において,各国政府に対し,このような措置をとる際は慎重に検討するよう強く求める。
- 各国が一斉に輸出規制を行えば,それは危険なほどに逆効果をもたらす。一国の緊急事態において道理にかなうことも,世界的な危機では大きな悪影響を与えうる。このような措置は,サプライチェーンを混乱させ,生産を落ち込ませ,必需品と労働者の必要な場所への供給を妨げる。医療品の生産を増やすためには,既存の国境を越える生産及び流通ネットワークを基礎とすることが不可欠。
- 貿易金融の供給の減少を懸念。適切な貿易金融は,食料及び不可欠の医療機材が最も必要とされるところに届くことを確保する上で重要。また,食料について,力強い供給があるにも関わらず,輸出規制が行われつつある。世界金融危機の経験からすると,食料輸出規制はすぐに国をまたいで拡大し,より大きな不確実性と価格上昇に繋がる。農業労働者の収穫地への移動が制限されていることも懸念。我々は,政府に対して,これらの挑戦に,安全かつ相応の形で取り組むよう求める。
- 今日,世界金融危機の際と同様の大胆な行動が必要とされている。我々は,各国政府に対し,輸出及びその他の貿易規制を行うこと又は強化することを差し控え,本年初頭から導入されてきた規制の迅速な撤廃に取り組むよう求める。WTOとG20は,これらの重要な事項について世界的な政策協調を行う場を提供している。