国際的ルール作りと政策協調の推進
医療関連品の貿易に関するWTO・WHO共同声明
令和2年4月23日
4月20日(現地時間),世界貿易機関(WTO)は,新型コロナウイルスを巡る状況を受け,医療関連品の貿易について,WTO・WHO両事務局長による共同声明を発出したところ,その概要は以下のとおりです。なお,共同声明の全文はWTOのホームページでご確認頂けます。
- WHOとWTOは,国際保健規則(2005)及びWTOルールの推進のため,不可欠な医療用品及びその他の物品及びサービスの国境を越える通常の流通を確保し,可能であれば促進し,また,世界的なサプライチェーンの不必要な混乱を解決するための努力を支援するために協働する。
- 貿易を制限する,公共保健を促進するために取られるいかなる措置も,「対象を絞り,目的に照らし相応かつ透明で,一時的」でなければならない。政府は,サプライチェーンを混乱させ,特に,医薬品と医療機材の輸入に依存する途上国と後発開発途上国(LDC)の最も貧しく脆弱な人々に負の影響を与える措置を避けるべきである。加盟国に対し,既存の透明性メカニズムに沿った形で,措置に関する情報をWHOとWTOに引き続き共有するよう求める。
- 政府に対して,研究・開発を一層促進する政策措置を実施し,国内及び国境を越えて迅速に普及させることで,保健技術に対する衡平なアクセスを確保するよう求める。これらの措置には,対象を絞った投資,臨床試験結果へのオープンアクセスの確保,関連する知的所有権の共有,製造能力の増大,開かれて透明な調達体制,関連する保健技術への関税撤廃,コストと遅延を減少させるための貿易円滑化措置が含まれる。