鉱物資源の安定供給

平成30年1月23日
(写真1)中央アジア・コーカサス地域公館エネルギー・鉱物資源担当官会議の様子
(写真2)(写真1)中央アジア・コーカサス地域公館エネルギー・鉱物資源担当官会議 集合写真
  1. 1月17日から18日,トルコのイスタンブールにて,中央アジア・コーカサス地域公館エネルギー・鉱物資源担当官会議を開催しました。平成21年以来毎年東京で開催している「エネルギー・鉱物資源に関する在外公館戦略会議」に加え,昨年,初めての試みとして南アフリカにおいてアフリカ地域を対象にこの会議を開催しました。特定の地域を対象とする会議としては今回が2回目となります。
  2. 中央アジア・コーカサス地域は,石油,ガス等の天然資源が豊富であり,旧ソ連諸国として歴史的にロシアの影響が強くありながら,中国の掲げる「一帯一路」構想の陸ルートの結節点でもある重要性に鑑み,今回この地域を対象に開催することとしました。
  3. この会議には,高橋美佐子外務省経済局経済安全保障課長を始めとする外務本省チーム,中央アジア・コーカサス地域の全8か国(アゼルバイジャン,アルメニア,ウズベキスタン,カザフスタン,キルギス,ジョージア,タジキスタン,トルクメニスタン)及び中国,トルコ,ロシアの各日本大使館から計11名のエネルギー・鉱物資源専門官または担当官,日本貿易振興機構(JETRO)及び現地日本企業の関係者が参加し,中央アジア・コーカサス地域でのエネルギー・資源外交を進めていく上での課題や対策等について,議論を深めました。
  4. 会議では,豊富な資源を有する中央アジア・コーカサス地域は,第一に,エネルギー価格の低迷による経済不振から外国からの支援を必要としていること,第二に,露中の影響力が重なり合う地域であり我が国の対中,対露外交を両国の内在的論理から考える上でも重要な地域であること,第三に,大半が内陸国であり東西南北の陸路の開放性の観点からは,同地域を巡る一連のパイプライン計画の進捗状況,カスピ海問題やアフガニスタン情勢が今後の鍵となること,第四に,エネルギー需要・輸入増を抑制するエネルギー効率向上や再生可能エネルギーについてエネルギー安全保障向上の方途を考える上で協力ニーズがあること,第五に,中央アジア・コーカサス地域は発展度合・経済構造のみならず宗教や文化や歴史等においても多様でありきめ細かなエネルギー外交戦略が求められること等が指摘され,これらの各点を踏まえつつ,同地域において戦略的で効果的なエネルギー外交を展開するための重点項目についての報告書(PDF)別ウィンドウで開くが出されました。
  5. また,17日には,江原功雄駐イスタンブール総領事主催により会議の参加者と在イスタンブール日本企業関係者等との意見交換が行われた他,19日には,オダエリ・バイオガス発電所(33.81MW,ヨーロッパ最大)及びシリヴリ風力発電所(45MW,イスタンブール第5位)を視察しました。
(参考1)エネルギー・鉱物資源に関する在外公館戦略会議
 近年の資源ナショナリズムの台頭等,資源をめぐる内外の厳しい情勢を踏まえ,情報収集・分析体制や関係省庁・機関間の連携等を強化すべく,平成21年度から,主要資源国の在外公館,関係省庁・機関,有識者,企業等を交えた「エネルギー・鉱物資源に関する在外公館戦略会議」を毎年東京にて開催。
(参考2)エネルギー・鉱物資源専門官
 平成25年2月,在外公館を対象に「エネルギー・鉱物資源専門官」制度を発足。当該専門官は,資源関連情報を収集・集約するとともに,民間企業,関係機関等との連絡調整の窓口になるなど,エネルギー・鉱物資源の安定供給確保に向けた外交的取組の強化に従事。平成30年1月現在,計53か国,60公館に配置。


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