エネルギー安全保障
自然エネルギー財団主催 国際シンポジウム「REvision2019:自然エネルギー革命」における河野外務大臣挨拶
平成31年4月2日
3月6日,河野外務大臣はイイノカンファレンスホールで開催された,自然エネルギー財団主催の国際シンポジウム「REvision2019:自然エネルギー革命」に出席し,冒頭において挨拶を行いました。概要は以下のとおりです。
- 気候変動問題への取組は,世界中で一層強くなっている。日本でも世界でも,極端な異常気象による災害が頻発し,気候変動の脅威が遠い将来の話ではなく,今目の前にある危機であることを,多くの人が感じるようになった。
- 昨年末,COP24でパリ協定の実施指針が採択された。2度目標を達成し,更には1.5度目標に向けた努力を追及する,パリ協定の実施に向けて取り組む段階に来ている。日本でも,パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略の策定が始まっている。積み上げではなく,まず目標を決め,イノベーションでいかに差を埋めていくかを考える必要がある。長期戦略の成果を今年のG20にも活かしながら,国際社会全体の取組の一助となるべく,世界に発信していきたい。
- 再生可能エネルギーのコストは下がり続けているが,日本ではまだ世界と大きな差がある。再生可能エネルギーは,気候変動に対応するためだけでなく,日本のエネルギー自給率を高め,安価なエネルギーの供給を確保する上でも,有効なエネルギー源として広く認識されるようになった。この現実に応えていかなければならない。
- 昨年夏に閣議決定された第5次エネルギー基本計画は、再生可能エネルギーの「主力電源化」という方針を初めて打ち出した。経済界もようやく動き始めた。
- 今や環境と成長の好循環という進むべき方向性は明らかである。世界が恐ろしいほどのスピードで前へ進んでいるときに,前へ出ようと思うなら,もっと速いスピードで動かなければならない。衰退する分野ではなく,将来性のある分野に投資・資源を集中できるかが問われている。
- 再生可能エネルギー100%を目指す上で残る課題を解決し,取組を加速していくにはどうしたらいいのか,多くの人々が高い関心を持っている。このシンポジウムが,世界の最新の再生可能エネルギー情勢を正しく日本に伝えるとともに,再生可能エネルギーの更なる普及拡大に向けた手掛かりを見出す有意義な機会となることを祈念する。