エネルギー安全保障

(「福島再生可能エネルギー研究所」等の視察)(結果)

平成30年11月5日
(写真1)FREAの視察 FREAの視察
(写真2)地熱バイナリー発電所の視察 地熱バイナリー発電所の視察
(写真3)セミナーの様子 セミナーの様子

 11月1日(木曜日),外務省は,国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研),福島県,福島市,郡山市及び資源エネルギー庁との協力により,福島県において,在京外交団を対象とした産総研福島再生可能エネルギー研究所(FREA)及び福島市土湯温泉町にある地熱バイナリー発電等の視察(福島県スタディーツアー)を実施しました。

 今回のスタディーツアーは,「福島新エネ社会構想」における再エネの導入拡大などを目指す現地での取組を在京外交団に紹介し,我が国の再生可能エネルギー等にかかる関連施設や最先端の技術を世界に発信することを目的として実施されたもので,合計10か国(10名)の大使館から参加がありました。

 昨年6月に続き3回目の開催となる今回のスタディーツアーでは,参加外交団は,まず最初に郡山市にあるFREAにおいて,水素,太陽光,風力,地熱・地中熱利用に関する先進的な研究施設を視察し,我が国の最先端の技術・研究開発に関する理解を深めました。その後,参加者はFREA敷地内で開催された地熱発電をテーマとするセミナーに参加し,「福島新エネ社会構想」,国内の地熱発電事業,及び最先端の研究内容のプレゼンテーションを通じて,我が国の地熱発電に関する取組に対する理解を深めました。

 また,参加外交団は,福島市の土湯温泉において,温泉熱を活用した地熱バイナリー発電施設やオニテナガエビの養殖を視察しました。さらに,土湯温泉内旅館での地元の食材を使った昼食や同市内の果樹園でのりんご収穫体験を通じて,福島県産の安心・安全かつ美味しい食品を堪能しました。

 参加外交団からは,我が国の地熱発電を中心とした再生可能エネルギーの現状や今後の動向,また最先端の技術に高い関心が示され,今後の日本と参加国におけるエネルギー分野での協力関係強化への期待が表明されました。さらに,福島県産の食品の安全性に対する理解が深まった,今回のスタディーツアーを通じて福島県が着実に復興の道のりを歩んでいることが実感できたとの感想が寄せられました。

[参考1]「福島新エネ社会構想」
安倍総理大臣のイニシアティブによる,未来の新エネルギー社会実現に向けたモデルを福島で創出するとともに世界に発信し,福島を再生可能エネルギーや未来の水素社会を切り拓く先駆けの地とする構想。

[参考2]参加外交団【10か国10名】
イタリア,イラン,インド,インドネシア,エチオピア,韓国,ケニア,中国,フィリピン,米国

[参考3]地熱バイナリー発電
バイナリー発電とは,温泉水を直接使って蒸気タービンを回して発電するのではなく,低沸点媒体(代替フロン等)と温泉水との熱交換によって,低沸点媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回す方式。バイナリー発電には,比較的低温の温泉でも利用できる,温泉への影響が小さいという利点があり,温泉を観光資源とする地域に適している。


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