食料安全保障

平成27年7月30日

1 概要

 平成27年6月5日から13日,第39回総会がローマのFAO本部にて開催され,我が国からは,梅本和義駐イタリア大使兼FAO常駐代表,針原寿朗農林水産審議官を政府首席代表とする代表団が出席した。総会は,FAOの最高意思決定機関として2年に1度開催される。今次総会には191加盟国及び欧州連合(EU)のほか,国連世界食糧計画(WFP)など関係国際機関が参加した。

2 主要結果概要

(1)「世界の食料と農業の現状」についての各国政府代表演説

 本年のテーマは「農村地域の強靭性強化を通じた,農村における貧困・飢餓の連鎖からの脱却」。我が国からは,針原農林水産審議官が自然災害や食料価格変動,越境性動植物病害虫等に対する強靭性向上に関して演説した。

(2)次期事業予算総額(2016-2017年,2年間)

 次期事業予算総額は,これに先立つ本年3月の第151回理事会で承認された予算案について本総会で投票の結果,1,005.635百万米ドル(2016-2017年為替レート(1ユーロ1.22ドル))にて全会一致で決定。我が国は米国に次ぐ第2番目の分担金拠出(10.834%)。

(3)理事国選挙

 全49議席のうち,2015年6月末及び2016年6月末で3年の任期が満了する,33議席(我が国を含む)について理事国改選が行われた。7地域により議席数が割り当てられているすべての地域でコンセンサスが成立し,理事国は無選挙改選された。我が国は1965年以降引き続き,2018年6月末まで理事国となる。

(4)事務局長の改選

 本総会で開催された事務局長(任期4年。再選1回まで)改選では,現職グラツィアーノ事務局長(2012年1月1日就任)が単独立候補となり,信任投票によって再選が決議された(182国中,賛成177国,棄権4国,反対1国)。グラツィアーノ新事務局長の任期は2015年8月から2019年7月末までの4年間。

(5)TICADプロセスを通じた農業開発に関する会合・昼食会

 総会開催中の10日には,農林水産省,FAO,在ローマ・アフリカ地域グループ3者の共催で,「アフリカにおけるフードバリューチェーン構築に向けて -TICADプロセスを通じた農業開発-」と題した会合を開催。その後アフリカ関係者等を招き,農林水産省主催の昼食会を開催,日本食の普及に努めた。

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