G20(金融・世界経済に関する首脳会合)

令和7年11月22日

 現地時間11月22日午後4時50分(日本時間22日午後11時50分)から約2時間20分、G20ヨハネスブルグ・サミットのセッション2「強靱な世界―G20の貢献」が行われ、我が国からは、尾崎内閣官房副長官が出席し、高市早苗内閣総理大臣のステートメントを代読したところ、概要は以下のとおりです。

 本セッションでは、多くのメンバーから、災害、気候変動、環境、国際保健、エネルギー、食料安全保障といった地球規模課題への対応において、G20が国際的な取組を主導していく必要性が指摘されました。

 高市総理大臣のステートメントの概要は以下のとおりです。

1 冒頭

 日本は、課題先進国としての知見や経験を活かし、これまで、災害、感染症、気候変動といった地球規模課題の解決に向け、各国の要望に基づいた取組を有言実行で実施してきた。

2 防災

  1. 世界各地では自然災害が激甚化・頻発化しており、持続的で強靱な社会の構築には、災害対策が待ったなしである。災害リスクの理解、防災投資、対応、とりわけ、災害リスク削減のためのインフラ強靱化が重要である。  
  2. 自然災害の多い日本は、世界一の防災大国を目指しており、日本は、その知恵と技術を共有し「仙台防災枠組」の実施など、国際協力を主導してきた。アフリカやアジアでは、テクノロジーも活用し、干ばつ対策、サイクロンシェルター整備、気象予報に係る能力構築支援といったハード・ソフト両面の協力を行ってきている。また、自然災害は被災国、特に低所得国や島嶼国の財政にも悪影響を及ぼし、迅速な復旧を妨げることになるため、日本は災害リスク・ファイナンスの整備支援も主導している。

3 気候変動

 世界の気温上昇を工業化以前から1.5度以内に抑えるためには、先進国のみならず、主要排出国を始め国際社会が団結して取り組むことが必要である。日本は、引き続き国内外の気候変動対策の実施に取り組んでいく。

4 海洋環境問題

 日本は、G20大阪サミットで「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を提唱し、各国のプラスチック汚染対策を支援している。プラスチック条約について、日本は、多くの国が参加する実効的な条約の早期策定に向け、関係国の橋渡しを行っていく。

5 国際保健

 ワクチン支援を含む新型コロナ対応はG20等が効果的な対応を行った代表例である。国際保健は、国際社会全体の経済・社会・安全保障上の重要な課題であり、日本は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向け、来月には、UHCハイレベル・フォーラムを東京で開催し、世界銀行・WHOと連携して行うUHCナレッジハブでの人材育成を含め、国際保健を力強く推し進めていく。

6 エネルギー移行

 安価で安定的なエネルギー供給やエネルギー安全保障の確保は極めて重要である。日本は、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)など、脱炭素化、経済成長、エネルギー安全保障を同時に実現し、多様な道筋の下で、ネット・ゼロを目指すための取組を力強く推進していく。

7 食料安全保障

 強靱で持続可能な農業・食料システムを構築するために、日本は、各地域の実情に応じた生産力強化に向けた支援行っていく。

8 結語

 日本は、引き続き、各国と知見・経験を共有し、相手国の主体性を尊重した実用的な支援を行っていく。


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