経済外交
EPA(経済連携協定)活用セミナー(平成26年)
林禎二 外務省経済局経済連携課長 講演「我が国のEPAの現状とこれからのEPA活用について」概要
林禎二外務省経済局経済連携課長の講演「我が国のEPAの現状とこれからのEPA活用について」の概要は以下の通り。
地方企業の方々に、経済連携協定(EPA/FTA)のメリットを知って頂き、活用して頂くことが今回のセミナーの狙い。EPA/FTAとは何なのか、政府のEPA政策、そして地方企業にとってのEPA/FTAの活用のメリットを紹介する。
EPA/FTAは、物品市場アクセス、原産地規則の他に貿易円滑化、政府調達、知的財産、サービス、投資等の分野を扱っており、関税撤廃・削減の効果だけでなくサービスに関する規制や投資規制の自由化等の効果もある。
我が国は、現在13カ国・地域とEPAを発効させているが、(1)WTO交渉が膠着しており、(2)FTA比率(発効済EPAの相手国との貿易額が、日本の貿易総額に占める割合)が他国と比べ18.9%と低いため、現在米国、中国、韓国、EUを含むさまざまな国・地域との経済連携交渉を進めている。交渉中の国・地域とEPA/FTAを発効させればFTA比率は84.4%となり、EPA/FTAを利用するのが当たり前の時代が到来する。これまでの我が国のEPAの特徴としては自由化率が低い点が挙げられるが、今後はTPP協定をはじめとして自由化率の高いEPA/FTA交渉を目指していく。また、最適なサプライチェーンを構築するため、広域経済連携を推進していく。
TPP協定の特徴としては、高い水準の自由化を目標としている点、労働や環境など幅広い分野を扱っている点が挙げられる。
海外を目指す中小企業は増益し、規模も拡大しており、また岡山県の地元企業はアジア地域との取引が多いため、EPA/FTA活用は有益なものと言える。既存のEPAはもちろんのこと、TPP、日中韓FTA及びRCEP等のEPA/FTAの活用で有利な海外展開が可能になるため、是非ともEPA/FTAを活用して頂きたい。