G20(金融・世界経済に関する首脳会合)
G20外相会合(1日目の概要)
令和7年2月20日


現地時間2月20日(日本時間20日から21日)、南アフリカ・ヨハネスブルグにおいてG20外相会合が開催され、岩屋毅外務大臣が出席したところ、1日目の概要は以下のとおりです。
1 セッション1「開会」
現地時間20日午後2時30分(日本時間同日午後9時30分)から約30分間行われた本セッションでは、マタメラ・シリル・ラマポーザ・南アフリカ共和国大統領(H.E. Mr. Matamela Cyril RAMAPHOSA, President of the Republic of South Africa)及びロナルド・ラモラ・南アフリカ共和国際関係・協力大臣(Hon. Mr. Ronald LAMOLA, Minister of International Relations and Cooperation of the Republic of South Africa)が開会のスピーチを行いました。
2 セッション2「世界の地政学的状況」
現地時間20日午後3時40分(日本時間同日午後10時40分)から約4時間20分間行われた本セッションでは、ウクライナ情勢や中東情勢等を始めとする地域情勢に関する議論が行われました。
- 冒頭、岩屋大臣から概要以下を述べました。
- ロシアによるウクライナ侵略を始め、国際社会が法の支配に対する大きな挑戦に直面する中、法の支配に基づく国際秩序を回復し、国際社会の平和と安定を確保することが必要。
- 東シナ海・南シナ海を含め、世界のどこであれ、力による一方的な現状変更の試みは決して認められない。
- 日本は、こうした考えに基づき、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続きパートナーと共に具体的な連携・協力を進めていく。
- 岩屋大臣は、ウクライナ情勢等について概要以下を述べました。
- ロシアによるウクライナ侵略に関しては、現在、平和実現のため、様々な外交努力が行われており、こうした動きにより、長年にわたる戦闘行為が終結し、困難な状況の打開へとつながっていくことを期待する。
- 平和実現にあたっては、引き続き、同志国と連携しつつ、ウクライナを支えていくとともに、中長期的な復旧・復興支援にも貢献していく。
- 欧州とアジアの安全保障は不可分。露朝協力を深刻に懸念する。北朝鮮兵士の戦闘への参画を強く非難する。安保理決議の完全な履行を含め、国際社会による強力な対応が必要。
- 拉致問題の即時解決に向けたG20各国の理解と協力をお願いしたい。
- 岩屋大臣は、中東情勢について概要以下を述べました。
- ガザにおける停戦合意の誠実かつ着実な履行が重要。ガザのデイアフターは、中長期的な中東地域の平和と安定に直結する。国際社会全体で支援する必要がある。日本は、引き続き二国家解決を支持する。喫緊の人道支援とともに、中長期的な復旧・復興支援でも積極的な役割を果たしていく。
- シリアについて、更なる難民・避難民を発生させないためにも、長年にわたり悪化した人道状況を改善する必要がある。また、シリアの将来はシリア人によって決められるべきであり、ISILが再び勢力を拡大しないようにするためにも、平和的で安定した包摂的な移行が重要。
- 岩屋大臣は、アフリカ情勢について概要以下を述べました。 アフリカの平和と安定も極めて重要。スーダンやコンゴ民主共和国東部の情勢について、両国及び周辺国、特に現地の人道状況の悪化を深く憂慮する。当事者に対して、停戦や持続的な和平のための交渉等を促すべく、国際社会が一致して行動する必要がある。
- 最後に、岩屋大臣から、国際社会を分断ではなく協調に導くためには、G20が国際協調を主導していく必要があると指摘しました。また、岩屋大臣は、対話を通じて共通点を探し、立場の違いや対立を超え、全ての国が責任を共有する形で具体的な連携・協力を進めていきたい旨述べました。
(参考)G20外相会合
- 日程 2月20日(木曜日) 第1セッション 開会 第2セッション 世界の地政学的状況 2月21日(金曜日) 第3セッション 2025年のG20の目標
- G20外相会合の参加国・機関
- G20メンバー 日本、南アフリカ(議長国)、アルゼンチン、豪州、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、英国、米国、AU(アフリカ連合)、EU(欧州連合)
- 招待国 アルジェリア、エジプト、アイルランド、オランダ、ナイジェリア、ノルウェー、シンガポール、スペイン、アラブ首長国連邦
- 国際機関 アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)、アフリカ開発銀行(AfDB)、欧州評議会開発銀行(CEB)、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)、東アフリカ共同体(EAC)、中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、国連食糧農業機関(FAO)、経済公正機関(IEJ)、国際通貨基金(IMF)、国際電気通信連合(ITU)、新開発銀行(NDB)、経済協力開発機構(OECD)、南部アフリカ開発共同体(SADC)、サウスセンター(TSC)、国際連合(UN)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連アフリカ経済委員会(UNECA)、世界銀行(WB)、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)