貿易と開発

平成28年7月25日
第14回UNCTAD総会における鈴木政府代表
第14回UNCTAD総会 集合写真
第14回UNCTAD総会における鈴木政府代表

1.概要

  • (1)7月17日(日曜日)から22日(金曜日)にかけて,ケニア・ナイロビにおいて,第14回国連貿易開発会議(UNCTAD)総会が開催され,我が国からは鈴木敏郎国際貿易・経済担当大使が首席代表として出席しました。UNCTADは,貿易と開発分野を扱う国連の機関であり,総会は4年に1回開催されます。
  • (2)鈴木大使は,日本政府を代表して一般討論演説を行ったほか,UNCTAD総会のハイレベルイベントとして開催された持続可能な開発目標(SDGs)に関するセッションや,サイドイベントとして開催された電子商取引セッション(eTrade for Allイニシアティブの立ち上げ),世界投資フォーラム(国際投資協定(IIA)ハイレベル会合)に出席しました。
  • (参考)今次総会は,「決定から行動へ:貿易と開発のための包括的かつ公平なグローバル経済環境への移行」のテーマの下,貿易と開発に関する様々な問題を扱うテーマ別討論会,各国首席代表による一般討論演説,成果文書を策定するための全体委員会等,様々な会合が開催されました。

2.鈴木大使による一般討論演説(20日)(英文ステートメント)(PDF)別ウィンドウで開く

  • (1)総会開催に協力してくださったケニア政府に感謝。今次総会は,次の4年間のUNCTADの活動の指針となる上で重要。
  • (2)本年,日本は国連安全保障理事会の非常任理事国やG7サミットの議長国を務め,8月にはケニア・ナイロビで第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)を開催予定。
  • (3)2015年は,仙台(第3回国連防災世界会議),アディスアベバ(第3回開発資金会議),ニューヨーク(2030アジェンダの採択),パリ(COP21:パリ協定の採択)において,持続可能な開発のための重要な成果が得られた年であった。日本は,持続可能な開発目標(SDGs)実施のため,SDGs推進本部を設置し,また,G7伊勢志摩サミットでは,人間中心の,かつ,地球に配慮した形で,2030アジェンダの実施を国内的及び国際的に進めることにコミット。
  • (4)G7議長国として,日本は,中東地域の安定化,国際保健,質の高いインフラ,女性の活躍推進の分野で新たなイニシアティブを発表。ジェンダーの問題は日本の優先分野であり,本年12月には,3回目となる国際女性会議「WAW!2016」を開催予定。
  • (5)日本は,結果重視マネジメント(Results-Based-Management)を通じたUNCTADのマネジメント改善ための努力を歓迎。また,今次総会で正式に立ち上げられたeTrade for Allイニシアティブや,南南データベースについても支持。
  • (6)8月にUNCTAD総会と同じ会場で開催されるTICAD VIでは,産業化,保健,社会の安定化の3つの分野を中心に議論が行われる予定。

3.SDGsの実施に関するハイレベルイベント(18日)

  • (1)5名のパネリストと4名のディスカッサントが登壇し,鈴木大使はディスカッサントの1人として議論に参加しました。
  • (2)セッションでは,SDGs達成のため,優先的に取り組むべきゴールとその方法やステークホルダーのパートナーシップのあり方,各国・国際機関・民間企業の取組について,議論が行われました。
  • (3)鈴木大使からは,SDGs推進本部の設置やSDGs実施のための指針の策定,質の高いインフラ・国際保健・ジェンダー・防災等の分野での取組や科学技術イノベーション(STI)の活用等の我が国の取組について発言しました。

4.eTrade for Allイニシアティブの立ち上げ(18日)(英文ステートメント)(PDF)別ウィンドウで開く

  • (1)近年アフリカを始め各地の途上国で重要性が高まっている電子商取引に関する支援の調和や連携強化を目的とした枠組みとして,UNCTADが主導してeTrade for Allイニシアティブが立ち上げられ,多くの国や国際機関,民間企業が参加や支持を表明しました。
  • (2)鈴木大使は,電子商取引が実際にもたらす影響への理解や認識を深めることが課題であると述べつつ,日本はこれまでもICT関連インフラや人材育成の分野で資金的・技術的支援をしてきており,今後も本イニシアティブに携わる各国政府や国際機関を含むステークホルダーと連携・協力していきたい旨発言しました。

5.世界投資フォーラム(国際投資協定(IIA)ハイレベル会合)(19日)(英文ステートメント)(PDF)別ウィンドウで開く

  •  鈴木大使は,UNCTAD総会のサイドイベントとして開催された世界投資フォーラムの「国際投資協定(IIA)ハイレベル会合」に出席し,投資環境整備の重要性,投資関連協定の改革に関する議論,投資家保護と国家の規制権限とのバランス等について我が国の考え方を発言しました。

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