科学技術
第4回日EU科学技術協力合同委員会
共同サマリー

平成29年11月24日,東京にて,中根猛外務省科学技術協力担当大使とヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ駐日EU代表部大使は,平成23年3月29日に発効した日EU科学技術協力協定に基づき,第4回日EU科学技術協力合同委員会を開会した。合同委員会開会後,EU側の共同議長は,フィリップ・ヴィアラッテ欧州委員会研究イノベーション総局国際協力局アジア太平洋地域等担当課長代行に引き継がれた。日本側の共同議長は中根大使が務めた。
合同委員会は,日本及び欧州委員会から多くの省庁や機関からの参加を得て開催された。
会合の冒頭において,両共同議長は,双方の研究の卓越性を推進し,双方の産業界の競争力を向上させ,共通のグローバルな社会的課題に効果的に対処するために,科学技術分野における日EU関係が戦略的に重要であることを確認した。両議長は,平成27年5月の第3回日EU科学技術協力合同委員会で採択し,日EU定期首脳協議で承認された日EU研究・イノベーションにおける戦略的パートナーシップの完全な履行に向けて努力する旨合意した。
双方は,お互いの最新の科学技術イノベーション政策の進展につき説明した。日EU間の協力を促進するための枠組みの改善に留意し,例えば科学技術振興機構(JST)が災害初期対応技術分野においてHorizon 2020の公募で共同ファンディングを行っていくことに合意したことがあげられた。さらに,日本学術振興会(JSPS)と欧州研究評議会(ERC)との間の実施取決めによる協力の促進があげられた。マリー・スクウォドフスカ=キュリー・アクションズ(MSCA)は,研究者の交流を促進する重要な手段となる旨強調された。
続いて,双方は,平成27年にブリュッセルで開催された第3回科学技術協力合同委員会以降に相互の関心分野で実施された研究とイノベーションの協力行動を概観した。分野としては,特に情報通信技術(ICT),運輸研究(特に航空宇宙,また,自動走行技術の分野での協力の可能性を含む。)及び先端材料研究があげられた。健康・医療研究のような重要分野において,最近の協力活動の進展が将来の協力のためのアイデアとともに提示された。
双方は,産業技術総合研究所(AIST)と欧州委員会共同研究センター(JRC)の間で結ばれた研究連携取決め(Research Framework Arrangement)を歓迎した。この取決めにより,ナノテクノロジー,化学,計測,エネルギー等の分野で双方にとって有益な協力がもたらされる。
双方はまた,今後の協力の可能性のある分野,例えば,再生可能エネルギー研究,北極研究,防災(自然ベースの解決法と早期地震警報システムを含む),及び量子技術について意見交換を行った。双方は,日本におけるHorizon 2020ナショナル・コンタクト・ポイントの一般への広報活動の重要性を確認した。
双方は,次回の合同委員会の日程が外交ルートを通じて調整されることを確認した。