科学技術

平成29年9月29日
(写真1)岸外務大臣科学技術顧問の欧州訪問
(写真2)岸外務大臣科学技術顧問の欧州訪問
(写真3)岸外務大臣科学技術顧問の欧州訪問

 平成29年9月11日から16日まで,岸輝雄外務省参与(外務大臣科学技術顧問)は,欧州(オランダ,スイス,フランス)を訪問しました。岸顧問は,滞在中,オランダにてSIPキャラバンを実施したほか,スイスではCERN(欧州合同原子核研究機構)を訪問しました。さらに,フランスでは,外交当局に対する科学的助言に関する国際対話イベントや科学技術外交顧問ネットワーク会合に出席し,カウンターパートである米国,英国,NZ,オマーン,セネガル,ポーランドの外交当局における科学技術顧問等と科学技術外交の重要性や持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた科学技術の活用等について議論しました。主な活動の概要は以下のとおりです。

1 SIPキャラバン

 11日および12日,岸顧問は,オランダのTen Cate社およびFokker社,さらにトゥエンテ大学において,SIPキャラバンを行いました。内閣府による日本の科学技術政策全体の概要説明に続き,岸顧問より,自身がプログラム・ディレクターを務める「革新的構造材料」課題について説明を行った後,オランダ側の研究者等と今後の具体的な連携について議論がなされました。

(注)SIPキャラバン

2 オランダ経済省訪問

 13日,岸顧問は,オランダ経済省を訪問し,ウェセリング副局長他2名と意見交換を行いました。日本側より,SIP「革新的構造材料」課題における今後の連携予定等について報告したところ,先方より,今回の訪問は次回の日オランダ科学技術協力合同委員会の成果となるものであり,経済省としては,両国の科学技術協力を今後も可能な限りサポートしたい旨述べられました。

3 CERN訪問

 14日,岸顧問は,CERNを訪問し,ジャノッティCERN所長他とCERNについて意見交換を行うとともに,関係施設の視察を行いました。CERN側からは,CERNへのこれまでの日本の貢献への感謝が伝えられるとともに,今後CERNが予定している加速器のアップグレードに対しても,日本の貢献を期待する旨等が述べられました。

4 外交当局に対する科学的助言に関する国際対話への参加

 15日および16日,岸顧問は,外交当局に対する科学的助言に関する国際対話に参加しました。本会合では,岸顧問含む各国の外務省科学顧問や科学技術外交の有識者が集まり,顧問設置に関心のある各国の外交当局関係者と科学的助言の必要性等についての議論がなされました。岸顧問は他国の外務省科学顧問と共に「Diverse experiences of science advice into foreign ministries」のパネルに登壇し,日本における科学技術外交の取組や顧問としての活動,現状の課題等につき説明を行いました。また,2日目には,有本建男科学技術外交推進会議委員・政策研究大学院大学教授と「Donor countries and the SDGs」にも登壇しました。同セッションでは,有本教授より,SATREPSや経団連を例にあげつつ,日本におけるSDGsの実施に向けた取組に関する発表がなされました。

5 科学技術外交顧問ネットワーク(FMSTAN: Foreign Ministries Science and Technology Advisors Network)会合への参加

 16日,岸顧問は,科学技術外交顧問ネットワーク会合に参加しました。会合には,米国,英国,NZ,ポーランド,オマーンの外務省科学技術顧問等が集まり,本ネットワークの今後の活動の方向性等についての議論がなされました。今後,同ネットワークの事務局はINGSA(International Network for Government Science Advice)が務めることとなったほか,以前科学技術顧問の職にあった者は名誉会員となる旨等が決定されました。


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