通常兵器の軍縮及び過剰な蓄積禁止に関する我が国の取組

令和3年8月3日
(写真1)小笠原一郎軍縮代表部大使
(写真2)オンライン開催でのモニター画面の様子

1 概要

  • (1)7月26日~30日、ニューヨークの国連本部において、国連小型武器行動計画第7回隔年会合(Seventh Biennial Meeting of States on the Programme of Action on Small Arms and Light Weapons:BMS 7)が開催され、2001年に国連小型武器会議において採択された国連小型武器行動計画(PoA)の実施状況の確認及び実施強化に向けた議論が行われました(議長:キマニ・ケニア国連常駐代表)。今次会合は2020年に開催が予定されていましたが、新型コロナウィルス感染症の影響により2021年に延期され、今般、オンラインと対面方式を組み合わせて開催されたものです。
  • (2)我が国からは、小笠原一郎軍縮代表部大使がオンラインで出席し、小型武器対策の重要性について述べるとともに、日本のこれまでの貢献や、国連の「人命を救う軍縮」(SALIENT)基金、アフリカ連合の小型武器対策イニシアティブである「サイレンシング・ザ・ガンズ」(Silencing the Guns)などへの支援、本年6月に日本が開催した小型武器対策に関するオンライン・セミナー等について紹介し、PoAの一層の促進を訴えました。
  • (3)また、小型武器問題に取り組む国際機関やNGOなども多数参加し、各種サイドイベントも行われました。

2 評価

  • (1)今次会合では、採択から20年の節目を迎えたPoAについて、これまでの成果を振り返ると共に、小型武器の非合法取引や流用により引き続き深刻な被害を起きている現状や、新たな技術を使って製造される小型武器に関する取組の必要性が確認され、国際社会が、世界、地域、国家の各レベルにおいてこれらの課題に取り組んでいくとのコミットメントを含む成果文書が採択されました。
  • (2)我が国からも、小型武器問題に取り組むことの重要性について述べると共に、PoAの履行促進を通じた小型武器の流用及び非合法取引の防止、PoAが隔年で求める国別報告の提出による透明性の確保を各国に呼びかけました。また、小型武器対策への日本の支援をアピールし、他国にも支援を促すと共に、受益国のオーナーシップや支援の有効活用を呼びかけ、議論に貢献しました。
  • (3)今次会合の議論の成果は、2022年に開催が予定されている第8回隔年会合(BMS8)での更なる議論、ひいては世界の小型武器対策の促進につながるものです。
[参考1]国連小型武器行動計画(Programme of Action: PoA
小型武器の無秩序な取引や拡散の規制に対して講ずべき国内、地域、国際の各レベルの具体的措置として以下を列挙。2001年7月の国連小型武器会議において、政治文書として採択。
  • 小型武器非合法取引を規制するための法制度整備
  • 法執行機関等による情報共有
  • トレーシングのための措置
  • 小型武器の回収・破壊等を含む武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)の実施
  • 被害国における法執行等の分野における能力構築のための国際協力
[参考2]「人命を救う軍縮」基金(Saving Lives Entity (SALIENT) fund
2018年5月に発表されたグテーレス国連事務総長の軍縮アジェンダにおいて設置が約束され、2019年に国連内に設けられた任意信託基金。小型武器対策を平和構築や開発支援の文脈の中で行い、紛争予防及び平和の持続の一層効果的な取組を目指す。我が国は、平成30年度補正予算で、同基金に2.2億円(200万米ドル)を拠出し、現時点で最大のドナー。

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