生物・化学兵器

平成28年1月25日

1 概要

(1)2015年12月14日~18日,生物兵器禁止条約(BWC)締約国会合がジュネーブにおいて開催され,我が国を含む締約国111か国が参加しました。また,署名国3か国(コートジボワール,リベリア,タンザニア),未署名国2か国(ギニア,イスラエル)の他,国連安保理決議1540委員会,国連軍縮部(UNODA),国連軍縮研究所(UNIDIR),国連地域間犯罪司法研究所(UNICRI),東南アジア諸国連合(ASEAN),欧州連合(EU),赤十字国際委員会(ICRC),アラブ連盟,化学兵器禁止機関(OPCW),国際獣疫事務局(OIE)がオブザーバーとして参加しました。

(2)今次会合では第7回運用検討会議(2011年)で合意された,1)国際協力・支援,2)科学技術の進展のレビュー,3)国内実施強化,4)条約第7条(防護の支援)の実施強化の4つの議題について,ムハマド・マレーシア寿府代表部大使を議長として議論が行われました。また,普遍化活動に関する議長報告,履行支援ユニット(ISU)の活動報告などが行われました。

(3)締約国は,各議題にかかる関心事項について意見を交わし,また,2016年に開催される第8回運用検討会議の議長にモーナー(Molnár)ハンガリー外務省軍備管理・軍縮・不拡散特別代表を任命するとともに,準備会合を4月26日~27日及び8月8日~12日,運用検討会議を11月7日~25日の期間で開催することを決定し,報告書をコンセンサスにて採択しました。

2 評価

(1)我が国は佐野軍縮代表部大使他が出席しました。冒頭にステートメント(英文)(PDF)を実施した他,条約国内実施にかかる作業文書や現代のバイオ脅威にかかる作業文書を他国と共同で提出するなど,議論に貢献しました。

(2)今次会合は,2016年に開催される第8回運用検討会議(5年に1度開催されるもの)に向けて, 2012年から2014年の議論の積み重ねを反映しつつ,締約国の共通理解を効果的な行動の促進に繋げるためにどのような要素を報告書に盛り込むべきかが議論の対象になりましたが,議長の優れた采配により,コンセンサスで報告書が採択されたことは,条約の実施に向けた締約国間の今後の協力の姿勢を表すものであり,評価できます。

(3)また,今次会合では,運用検討会議準備プロセスを強化する決定がなされました。生命科学が急速に発展する中,2015年3月26日に発効40年を迎えたBWCが,現代のバイオ脅威に有効なものであり続けるために,運用検討会議おいて有効な措置を決定すべく議論を重ねていこうという締約国の積極的な姿勢が確認されました。


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