軍縮・不拡散・原子力の平和的利用
「ユース非核リーダー基金」訪日プログラム(広島・長崎スタディツアー)石原内閣総理大臣補佐官のユース国際会議へのビデオメッセージ発出及びユースとの意見交換
令和6年8月30日


8月29日、石原宏高内閣総理大臣補佐官(核軍縮・不拡散問題担当)は、広島で開催されたユース国際会議への冒頭挨拶としてビデオメッセージを発出しました。また30日には、東京において、訪日中のユースと意見交換を実施しました。
- 29日のユース国際会議の冒頭挨拶として、石原補佐官が発出したビデオメッセージの概要は以下のとおりです。
- 世界40か国以上から長崎、そしてここ広島に一堂に会してのスタディツアーも、このユース国際会議とそれに続く修了式で、いよいよ閉幕を迎えます。スタディツアーでは、長崎、広島での被爆者講話や平和公園・資料館の見学など様々なプログラムを経験され、また、長崎・広島で活躍するユースとも交流し、「核兵器のない世界」の実現に向け、仲間と活発な議論を交わされたかと思います。
- 改めて申すまでもなく、国際安全保障環境が一層厳しくなるとともに、核軍縮を巡る国際社会の分断が深まっています。しかしだからこそ、我々は「核兵器のない世界」に向けた歩みをやめるわけにはいきません。 核兵器国、非核兵器国、核実験の影響を受けた地域、紛争経験国など、様々な歴史、政治環境、文化を背景に有するユースの皆様が、人生における貴重な一定の時間を投資し、このプログラムに参加されたことは大変意義があると確信しています。また、そのことを是非誇りに思っていただきたいと思います。
- 岸田総理大臣が、長崎における開会式のビデオメッセージでも述べられたとおり、来年は、広島・長崎への原爆投下から80年の節目の年にあたり、被爆者の方々が高齢となる中、被爆の実相を世界に伝えていただくためには、皆様のようなユースの役割が一層大きくなっています。 このスタディツアーで、ご自身の目と心で見て、感じられたことを、是非、皆様の御家族、友人、職場の同僚・先輩、コミュニティーに発信し、伝えて頂きたいと思います。そして、このプログラムを通じて得たグローバルなネットワークを大切にし、「核兵器のない世界」に向けた取組を継続していただきたいと思います。
- 唯一の戦争被爆国である日本としても、現実的かつ実践的な核軍縮の取組を継続・強化してまいります。参加者の皆様が無事に帰国された後も、それぞれの素晴らしい旅路を継続されることを祈念します。
- 30日の石原補佐官と訪日中のユースとの意見交換では、ユースから、 被爆者から直接被爆の実相に触れるなど今回のスタディツアーを通じて学んだことや、軍縮・平和教育や核軍縮におけるユースの関与の重要性等について積極的な発言があり、今回の貴重な機会を提供してくれた日本政府、国連、広島・長崎関係者への感謝が述べられました。石原補佐官からは、日本の核軍縮に向けた取組等について説明し、活発な意見交換が行われました。
- 第1期生100名は、昨年12月に国連の主催によりオンラインで開催されたプログラム開始式の後、約3か月間にわたる研修をオンラインで受講してきました。この100名の中から、国連側により訪日プログラム参加者50名が選抜され、8月26日から、「ユース非核リーダー基金」のプログラム参加者第1期生の50名が、1週間の訪日プログラム(広島・長崎スタディツアー)に参加しました。参加者は、核兵器国、非核兵器国の双方を含む約40か国からの18歳から29歳のユースです。なお、今回の訪日プログラムは、台風10号の影響を考慮して、広島での一部日程を繰り上げる等して実施されました。
(参考2)「ユース非核リーダー基金」のプログラム概要
- 同基金は、2022年(令和4年)8月の第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の一般討論演説において、岸田総理大臣が「ヒロシマ・アクション・プラン」を発表し、その一環として同基金の立上げのために国連への1,000万ドル(日本円で10.8億円)の拠出を発表したもの。
- 本プログラムは、2023年(令和5年)から2030年(令和12年)まで実施予定(2030年(令和12年)は広島及び長崎への原爆投下85年、NPT発効60周年に当たる)。
参加者は、2年間のコースで、核軍縮、不拡散及び軍備管理についてオンライン・コースで研修を受け、選定された参加者が広島及び長崎に1週間のスタディツアーに参加する。
参加経験者は、プログラムの修了後に、次回参加者の研修・育成に主要な役割を担う。2023年(令和5年)から2024年(令和6年)の最初のプログラムの後、同様の2年の研修が3回にわたり実施され、核廃絶に向けた未来のリーダーによるグローバルなネットワーク作りを目指す。