核軍縮・不拡散

令和6年9月23日
(集合写真)FMCTフレンズのハイレベル立上げ会合出席者 (写真提供:内閣広報室)
FMCTフレンズのハイレベル立上げ会合で発言をする岸田総理大臣 (写真提供:内閣広報室)
笑顔で握手を交わす岸田総理大臣とブリンケン米国務長官

 現地時間9月23日午後4時(日本時間24日午前3時)から約50分間、国連総会に出席するため米国・ニューヨークを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)フレンズのハイレベル立上げ会合を開催したところ、概要は以下のとおりです。

 我が国は、「核兵器のない世界」の実現に向けた現実的・実践的な取組の一つとしてFMCTを重視しており、こうした考えの下、昨年5月のG7広島サミットにおいて発出した「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」においてFMCTへの政治的関心を再び集めることを全ての国に強く要請し、その取組の一環として、「FMCTフレンズ」の立ち上げを表明しました。本会合は、フレンズ参加国の間で「FMCTフレンズ」の立ち上げを確認するものです。

FMCTフレンズのハイレベル立上げ会合の会場の様子 (写真提供:内閣広報室)
  1. 岸田総理大臣は、冒頭挨拶において、冷戦の最盛期以来、初めて核兵器数の減少傾向が逆転しかねない瀬戸際にあるからこそ、核兵器用核分裂性物質の生産禁止により核兵器の量的向上に制限をかけるFMCTの早期の交渉開始が必要であると述べました。また、岸田総理大臣は、FMCTへの政治的関心を更に高め、議論を再活性化することが、早期の交渉開始に向けて取り組む契機となり、ひいてはNPT体制の維持・強化につながると確信している旨述べました。また、来年、広島・長崎被爆80年の機会に、被爆の実相への理解促進に取り組む予定である旨述べました。
  2. 続いて、中満泉国連事務次長兼軍縮担当上級代表が国連代表として挨拶を行い、その後、ブリンケン米国務長官、ジョリー・加外相、ペニー・ウォン豪外相、エンリケ・マナロ比外相、モハメド・アブバカル・ナイジェリア国防大臣、レイ・コリンズ英閣外大臣(国連担当)、トビアス・リントナー独外務省国務大臣、エドモンド・チリエリ伊外務副大臣等、参加国代表による発言が行われました。
  3. FMCTフレンズの各国は、本会合終了後、共同報道発表を発出し、FMCTフレンズを立ち上げ、FMCTに対する政治的関心を高めるべく緊密に協力し、また、早期交渉開始に向けて関係国等と協働することを確認した旨発表しました。
(参考1)核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)

 核兵器の原料となる核分裂性物質(高濃縮ウラン、プルトニウム等)の生産を禁止し、核兵器の量をこれ以上増やさないことを目的とした条約。1993年にクリントン米大統領(当時)が条約交渉を提案。依然として交渉は開始されていない。

(参考2)FMCTフレンズ

 2024 年 3 月 18 日、日本が国連安全保障理事会議長として初めて開催した核軍縮・不拡散に関する安全保障理事会閣僚級会合において、上川外務大臣は、我が国が進める「核兵器のない世界」に向けた現実的・実践的な取組の一環として、「FMCT フレンズ」の立ち上げを表明。「FMCTフレンズ」は、FMCT に対する政治的関心の維持・強化及び FMCT 交渉開始に向けた支持拡大への貢献を目的とした核兵器国及び非核兵器国から成る地域横断的グループであり、参加国は日本の他、米国、英国、フランス、イタリア、オランダ、カナダ、豪州、ドイツ、ナイジェリア、 フィリピン、ブラジルの 12 か国。

(参考3)別添
(参考4)別添

核軍縮・不拡散へ戻る