核軍縮・不拡散

平成29年6月26日
1 岸田外務大臣が,5月に2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第一回準備委員会に出席した際に行った一般討論演説(日本語(PDF) / 英語(PDF))の抜粋が,アームズ・コントロール・トゥデイ誌の6月号に掲載されました。(掲載記事(PDF))同誌は,米国の軍備管理協会が発刊しており,世界的に高い評価を得ている軍縮専門誌の1つです。

2 同演説で岸田大臣は,「核兵器のない世界」を実現していくためには,核兵器国と非核兵器国の信頼関係の再構築が必要であると述べるとともに,そのために透明性,安全保障環境,被爆の実相の認識の「3つの向上」を提案し,更に,日本の考える核兵器のない世界に向けた具体的な道筋を提案しました。

3 我が国は,「核兵器のない世界」の実現のため,核兵器使用の非人道性に対する正確な認識と厳しい安全保障環境に対する冷静な認識を踏まえた上で,核兵器国と非核兵器国が協力できるNPTを始めとする現実的かつ実践的な取組を積み重ねていくべく,努めていく考えです。

4 掲載記事で抜粋されている大臣演説の要旨は以下のとおりです。

(1)「二つの認識」
  • 核兵器の非人道性に対する正確な認識:被爆者・市民社会の努力を称賛。
  • 厳しい安全保障環境に対する冷静な認識:北朝鮮の挑発行為はNPT体制に対する挑戦。
(2)核兵器国と非核兵器国間の信頼関係再構築のための「3つの向上」
  • 「透明性の向上を通じた信頼構築」:核実験の検知能力向上,核戦力等の透明性向上を通じた信頼構築。
  • 「安全保障環境の向上による核兵器保有の動機の削減」:北朝鮮問題に日本は率先して取り組む。
  • 「被爆の実相への認識の向上」:政治指導者や若者が,被爆の実相に触れる。
(3)日本の考える核兵器のない世界への道筋
  • CTBTやFMCT,検証体制の構築を通じ,核兵器の数を着実に削減。「最小限ポイント」に達した段階で,廃絶の達成と維持のための法的枠組みを導入。NPTは核軍縮の取組の手段。NPT普遍化を追求。

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