日本の安全保障と国際社会の平和と安定
国連小型武器行動計画第5回隔年会合(概要と評価)
平成26年6月24日
1.概要
- (1)6月16日(月曜日)から20日(金曜日)まで、ニューヨークの国連本部において、国連小型武器行動計画5回隔年会合(United Nations Fifth Biennial Meeting of States on the Programme of Action on Small Arms and Light Weapons)が開催され、2001年に国連小型武器会議において採択された「国連小型武器行動計画」の実施状況の確認及び実施強化に向けた議論が行われた(議長:タニン・アフガニスタン国連常駐代表)。
- (2)我が国からは、佐野軍縮代表部大使が団長として出席し、ストックパイル管理、国際トレーシング文書の検討,国際協力と支援及びフォローアップ制度の各議題に関する議論に積極的に参加した。また、小型武器問題に取り組む国際機関やNGOなども多数参加し、各種サイドイベントも行われた。
2.評価
- (1)今次会合最終日の20日(金曜日)に、成果文書となる報告書がとりまとめられ、コンセンサスで採択された。各議題(上記1.(2)参照)での議論を反映し、「国連小型武器行動計画」の実施強化に向け、「今後の道筋(The Way Forward)」として、情報交換を含む国際及び地域協力・支援の強化の重要性、不正な小型武器の取引の廃絶に向けた女性の参画の促進,キャパビル及び技術・財政分野への国際的支援の必要性等の認識の下、将来への取組が示された。本報告書の内容及び採択は、国際社会における小型武器問題に関する今後の取り組みの前進に大きく貢献するものと評価できる。
- (2)多くの国及び市民社会からの関心が高まっているポリマー製を含む新型技術による小型武器の刻印に関する課題に対応するため,2015年政府専門家会合(MGE)において,本件を取り上げることとなったことは評価できる。
- (3)我が国からは今次会合において,小型武器の適切な安全管理及びストックパイル管理は,小型武器の不法市場への流出及び爆発事故を防ぐための重要な課題であることから,国内基準や国内手続を含む,ストックパイル管理にかかるグッド・プラクティスや教訓を共有することは重要である旨主張し,これが,成果文書に反映された。このように,我が国は成果文書の取りまとめ及び採択に向け積極的に貢献した。
【参考】
- 国連小型武器行動計画は、あらゆる側面における小型武器の非合法取引の防止、除去、撲滅のための具体的措置を定めたもの。前文、非合法取引に係る具体的措置、履行・国際協力と支援、フォローアップの4章から構成される。
- 隔年会合は、国連小型武器行動計画において二年に一度開催することとされている。本会合は,2012年に開催された第2回履行検討会議後に初めて開催された隔年会合。
- 我が国は、南ア、コロンビアとともに毎年国連総会に小型武器決議を提出するなど、この分野において中心的な役割を果たしている。