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ズン・ベトナム首相の公式実務訪問賓客訪日(結果概要)

平成18年10月23日


【ポイント】

  • ズン首相にとり初の二国間公式訪問、また安倍総理にとり初の賓客であり、双方が日越両国関係を重視している姿勢を強調。
  • 天皇皇后両陛下の御引見、国会演説、首脳会談、総理夫妻主催晩餐会の実施等、充実した日程。
  • 首脳会談では、多様な分野で関係を促進し、関係をアジアの平和と繁栄のための戦略的パートナーとして高めていくことに合意し、首脳レベルで初となる共同声明を発出。
    • 経済連携協定正式交渉第一回会合を2007年1月に開催する旨発表し、投資・貿易関係の拡大を進めることに見解を共有。
    • 越側より、我が国ODAへの感謝があるとともに、経済協力の拡大を要請。
    • 国連等での協力、核実験・拉致など北朝鮮への対処を確認する等、国際場裏における協力促進を確認。
    • 越側より閣僚合同委員会の設置を提案。
  • 大企業60社代表が同行し、東京・大阪での投資促進セミナー、経済関係者との会談等を通じて積極的に投資誘致。

1.ベトナム側代表団

 ズン首相にとり初の二国間公式訪問。ズン首相夫人の他、コアン首相特使、マオ国会対外委員長、フック計画投資大臣、ズン交通運輸大臣、フォン科学技術大臣、トゥエン商業大臣、各省次官3名、省知事・市長11名、大企業代表約60名が同行。今般の訪問重視の姿勢が伺われた。

2.日程(10月18日~22日)

(1)天皇皇后両陛下が御引見になられた。

(2)国会演説を実現(平成17年5月のブラジル大統領以来約1年5ヶ月ぶり)。ズン首相より社会経済状況、日越関係、北朝鮮状況への憂慮等に関して演説し、参列議員(約280名)より、盛大な拍手が送られた。ベトナム側はベトナムの首相が他国の国会で演説するのは初めてとして極めて高く評価。

(3)首脳会談に引き続き、総理夫妻主催でベトナム代表団、我が国国会議員、財界、学界、文化・芸術関係者等約80名が出席する盛大な晩餐会を開催。

(4)日越友好議連主催で、多数の国会議員等が出席する盛大なレセプションが開催された。

(5)東京・大阪での投資促進セミナー、経済関係者との会談等を通じて積極的に投資誘致を実施。

(6)大阪、京都、奈良を訪問。タンロン遺跡保存で関係のある平城宮を視察。

3.首脳会談

(1)安倍総理よりズン首相が初の二国間公式訪問先として日本を選んだこと、ズン首相より安倍総理の初の賓客としてベトナムを選んだことに互いに感謝。

(2)日越関係はあらゆる分野で発展しており、右を地域の平和と繁栄のための戦略的パートナーとして高めていくこと、そのため共同声明(骨子本文仮訳)を発出することに合意。

(3)対話を促進することに見解が一致した。この関連で安倍総理が11月にベトナムで開催されるAPEC首脳会議出席及び二国間公式訪問を行うことに合意。ベトナム側から閣僚合同委員会の設置が提案され、今後の検討課題となった。

(4)経済連携協定の正式交渉第一回会合を2007年1月に開催することに合意。また、日本企業のベトナムへの投資促進に取り組むことを確認し、日越共同イニシアティブ実施を促進することに一致。貿易に関し、近いうちにベトナムのWTO加盟が実現する見込みであることを確認するとともに、二国間貿易拡大に取り組むことで見解が一致。

(5)ベトナム側からドイモイ路線を継続する旨の経済政策の説明があるとともに、法治国家建設、行政改革、汚職対策に取り組むとの決意の表明があった。

(6)ベトナム側から我が国ODAへの謝意の表明があるとともに、ODA拡大を要請。また、ベトナム側から高速鉄道、高速道路、ハイテクパークの提案があった。

(7)二国間の多様な協力を促進することに合意。科学技術分野では、8月に調印された日ベトナム科学技術協力協定に基づき協力を促進することに一致。将来の日越原子力協力協定に関する意見交換も視野に、原子力の平和利用協力を促進することを確認。

(8)文化交流では、日越文化交流フォーラムを開催することに合意。

(9)国際場裏における協力を促進することに合意。東アジアサミット、ASEAN+3、APEC等地域協力を促進することに合意。12月のASEAN首脳会議にあわせて日CLV(カンボジア、ラオス、ベトナム)首脳会議を開催する方向で見解が一致。ベトナムが包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准したことを評価。国連に関し、日本の安保理常任理事国入り、ベトナムの安保理非常任理事国入りをそれぞれ支持。

(10)地域情勢への意見交換を実施。北朝鮮情勢への深い憂慮を共有し、核実験・拉致への反対、六か国協議の共同声明及び国連決議の実施が必要であることに見解が一致。

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