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第14回日本・スペイン・シンポジウム
(概要と評価)
平成23年11月
2011年11月14日(月曜日)及び15日(火曜日),仙台市において第14回日本・スペイン・シンポジウムが開催されたところ,概要は以下の通り。
1.概要
(注:議事日程の詳細及び出席者については,日程詳細と出席者を参照。)
- 今次シンポジウムでは,「両国における『イノベーション』の諸相と日西間協力~東日本大震災を踏まえて」をテーマに,東日本大震災を経験した後で,復興に向けて社会がどのような「イノベーション」に取り組むべきか,3つのセッションに分かれて,いずれも日・スペイン間での具体的な協力の可能性を含めて議論が行われた。
- 第1セッションでは,「防災・復興・都市計画」をテーマに,震災の経験を踏まえ,現代社会においてどのような防災・復興計画,都市設計が求められるか,仙台市の経験も参考にしつつ,議論が行われた。
第2セッションでは,「再生可能エネルギーと省エネ」をテーマに,今後社会においてどのようなエネルギー・ミックスが求められるか,スマートコミュニティーの構築において求められる再生可能エネルギー・省エネ分野の技術革新等について議論が行われた。
また,第3セッションでは,「研究・教育の役割~産官学連携活動のあり方~」をテーマに,先の2つのセッションでの議論を踏まえ,防災,復興,都市計画,再生エネルギー,省エネ等の分野で期待される「イノベーション」に向けて,研究・教育がどのような役割を果たし,研究成果をいかに産業界への技術移転に繋げられるか,産官学連携活動のあり方等について議論が行われた。
- 横山進一・日本側座長及びジュセップ・ピケ・スペイン側座長は,今次シンポジウムの議論を踏まえ,各分野における日スペイン間の具体的な協力をより一層推進していくことで一致した。
- 外務省を代表し,山根隆治外務副大臣が,仙台市主催レセプションにおいて,仙台の地を出発した慶長遣欧使節団のスペイン訪問から400年目にあたる2013年に向け両国交流の機運が高まる中で,今次シンポジウムの開催を通じ,経済,社会,文化など,幅広い分野での両国の協力を一層進めていきたい旨,被災地の復興と再生を祈念する旨挨拶を行った。
2.評価
- 東日本大震災の経験を踏まえ,復興に向けた災害に強い都市設計,再生可能エネルギー,省エネ等の幅広い分野における「イノベーション」について,日,スペイン,それぞれの国の強みや経験,取組について紹介し合い,両国の協力の可能性も含め,官・民・学の各界の有識者間で議論を行ったことにより,今後,これらの分野における両国間の具体的な協力拡大に繋げていくための布石が打たれた。
- 今回のシンポジウムが,震災にもかかわらず予定通り仙台で開催されたことで,我が国の復興に向けた取組や,東北地方の豊かな地場産業,中小企業の高い技術と成長のポテンシャルをアピールする結果となった。
- また,仙台市は,スペインと歴史的に縁のあることからも,同地でのシンポジウムの開催により2013年の慶長遣欧使節団の訪西400周年に向けて,今後の日・スペイン間のより一層の交流拡大の機運の醸成がはかられた。