アジア

平成25年12月12日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
12月12日(木曜日)11時15分頃から約30分間、安倍晋三内閣総理大臣は、日・ASEAN特別首脳会議出席のために訪日中のナジブ・ラザク・マレーシア首相(Dato' Sri Haji Mohd Najib bin Tun Haji Abdul Razak、Prime Minister and Minister of Finance、 Malaysia)との間で会談を行ったところ、概要は以下のとおり(当方:世耕内閣官房副長官、中村駐マレーシア大使ほか、先方:ムスタパ国際貿易・産業大臣ほか同席)。
 
1.冒頭

安倍総理から、訪日を歓迎するとともに、今般のマレーシアの洪水被害にお見舞いを述べた。また、ナジブ首相と協力して時代に即した新たな二国間関係を構築していきたい旨述べた。ナジブ首相からは日本側の歓待に対し感謝の意とともに、時代に即した二国間関係構築についての同意が示された。
 
2.二国間関係

(1)両首脳は、東方政策に基づく層の厚い絆は日・マレーシア関係の基盤であるとの認識の下、マレーシアが検討を進めている東方政策の「セカンドウェーブ」について協力を深めるべく、両国間での協議の枠組みを設けることで一致した。また、安倍総理から、マレーシア日本国際工学院(MJIIT)をASEAN地域での日本型工学教育の拠点に発展させるべく、ASEAN地域からの留学生拡大に向けた奨学金を支援することを表明し、ナジブ首相からは賛意が示された。

(2)経済分野では、両首脳は、ナジブ首相が掲げる2020年までに先進国入りするとの目標について今後も協力していくことで一致した。安倍総理から、石炭火力発電所等のインフラ整備の分野で日本の技術と知見を活用してほしいと述べ、特に高速鉄道事業については日本の新幹線の高い技術と安全性を説明して採用への期待を表明した。これに対し、ナジブ首相からは、日本の技術力を認識しているとの趣旨の発言があるとともに、日本企業の入札参加への期待が示された。

(3)海上安全の分野では、両首脳は、本年9月に海上保安機関間での初の共同訓練が実現したことも踏まえ、引き続き協力を進めていくことで一致した。
 
3.地域・国際情勢

(1)安倍総理から、2015年にASEAN議長国を務めるマレーシアと連携したい旨述べ、両首脳は、同年のASEAN共同体構築に向けて連携していくことで一致した。

(2)両首脳は、南シナ海をめぐる問題等の地域・国際情勢についても意見交換を行い、この中で安倍総理から、中国の防空識別区設定の件について、日本の立場を説明した。また、安倍総理から、日本の安全保障政策について、日本は「積極的平和主義」の考えの下で、地域・国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していく考えである旨説明した。

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