北米
安倍昭恵総理夫人のニューヨーク訪問
(平成25年9月24日~28日)



1.9月24日
(1)ヴォレリー・トリエルヴェレール女史(フランソワ・オランド仏大統領のパートナー)との懇談
24日午後6時15分から午後6時45分まで,安倍総理夫人は仏大統領宿舎において,ヴァレリー・トリエルヴェレール女史と懇談しました。トリエルヴェレール女史は,本年6月にオランド仏大統領とともに国賓として訪日しており,両者は再会を喜び合いました。また,トリエルヴェレール女史の関心事項である紛争下の女性への性的暴力防止イニシアティブに関し,アフリカをはじめとする紛争地域において女性の権利を守ることの重要性について意見交換を行いました。さらに,ファースト・レディ同士が協力し合うことについて認識を深めました。
(2)日本人の文化人・芸術家との懇談(於:ニューヨーク市内レストラン)
安倍総理夫人は24日午後8時から約2時間,ニューヨーク市内レストランで,ニューヨークを中心に活動している日本人の芸術家の方々との懇談を行いました。参加者は,各分野の第一人者であるハーピストの安楽真理子氏,バイオリニストの五嶋龍氏,画家の千住博氏,シンガーソングライターの矢野顕子氏,ジャズピアニストの山中千尋氏です。
参加者からは,それぞれの最近の活動ぶりが紹介されるとともに,米国における対日理解の進展や日米の芸術交流の重要性などについて,自らの体験が語られました。
総理夫人からは芸術家の皆様の活躍が,日米のみならず世界と日本の芸術交流を深める上で大きな役割を果たしており,益々の御活躍を心から応援したい旨伝えました。


2.9月25日
(1)ニューヨーク市立大学ラガーディア校日本語学科視察(於:ニューヨーク市立大学ラガーディア校)
安倍総理夫人は,午前9時45分(現地時間)から約45分間,ニューヨーク市立大学ラガーディア校日本語学科(ニューヨーク市立大学の分校の一つで2年制の短期大学)を視察しました。
ニューヨーク市立大学ラガーディア校は,2年間の初級から中級レベルの日本語教育を提供し,日本研究に熱心に取り組んでいる教育機関の一つです。
日本との関係では,平成24年度,日米桜百周年事業の一環で日本種桜苗木の植樹式典が同大学で開催されました。また、今年度は北米地域との青少年交流「KAKEHASHI Project」により,本年6月にニューヨーク市立大学から訪日した約50名の学生と引率教官のとりまとめを行うなど,同大学は日本との交流を積極的に行っています。
視察では,メロー学長から総理夫人に対し,学校の紹介及び同校と日本との深いつながりについて説明が行われた後,総理夫人は日本語の授業を見学しました。その後,総理夫人は「KAKEHASHI Project」参加者と面会し,参加学生が訪日によって得た経験を通じて日本への理解が深まったことなどが紹介されました。
総理夫人は,日本語を学ぶ学生に対し,日本語を学習してくれていることへの感謝を伝え,日本への理解を深め,日米友好の架け橋として将来活躍することへの期待を表明しました。またKAKEHASHI Projectに参加した学生に対しては,今回の経験をきっかけとして日米の架け橋として活躍することへの期待を述べ,これからも日本への関心を持ち続けていただきたい旨を伝え,学生たちと日本語を交えて和やかに意見交換を行いました。
(参考)「KAKEHASHI Project」の概要:
2013年1月,北米地域(米国,カナダ)との間で5千人規模の青少年交流事業を実施することを決定。本件事業を通じて,日本に対する潜在的な関心を増進させ、訪日外国人の増加を図るとともに、クール・ジャパンを含めた日本の強みや魅力等の日本ブランド、日本的な「価値」への国際理解を増進させることを目指している。
(2)元JETとの懇談(於:ニューヨーク総領事公邸)
安倍総理夫人は,午前11時(現地時間)から約1時間,語学指導等を行う外国青年招致事業であるJETプログラムへの元参加者(元JET)と懇談を行いました。
JETプログラムは,本年で27年目を迎え,地域の国際化,草の根レベルの友好親善,外国人の対日理解向上などに多大な貢献を果たしています。
安倍総理夫人は,元JETの人達が東日本大震災後に我が国への支援活動を活発に行われていることにつき感謝の意を述べ,東北の子供たちが未来に向かって力強く歩み始めている様子を紹介しました。JET参加者が,日米関係の深化のために大変重要な役割を果たしているとして感謝と今後への期待を伝えました。
(3)国連事務総長夫人主催昼食会及びメトロポリタンオペラ見学会への出席(於:メトロポリタン・オペラ)
午後12:30(現地時間)から約3時間,潘淳沢(パン・スンテク)国連事務総長夫人主催の各国首脳配偶者に対する昼食会及び文化行事が開催され,安倍総理夫人は多数の首脳夫人とともに出席しました。総理夫人は,各国首脳夫人と,各人が国内で取り組んでいる活動,各国における女性の活躍等について,和やかに懇談しました。
その後,潘国連事務総長夫人主催のメトロポリタンオペラ・バックステージツアーに参加し,各国首脳夫人と共にメトロポリタンオペラの舞台を支える様々な技術専門家による大道具・小道具や衣装制作などの現場を見学しました。


3.9月26日
(1)NGO「Autism Speaks」及び潘淳沢(パン・スンテク)国連事務総長夫人共催自閉症関連イベント(於:ニューヨーク・ヒルトンホテル)
安倍総理夫人は,午前9時(現地時間)から約2時間半,NGO団体「Autism Speaks(自閉症は発言する)」及び潘国連事務総長夫人共催による第6回年次会合“The Sixth Annual World Focus on Autismに出席しました。
この会合では,NGO「Autism Speaks」設立者であるライト夫妻による同団体の活動に関するスピーチに続いて,潘国連事務総長夫人が自閉症をもつ人々への理解を深める必要性や,自閉症をもつ人々がより暮らしやすい社会を実現することの意義などについて発言しました。
また,同会合には,約20か国の首脳夫人等が参加し,セルビア大統領夫人,マレーシア大統領夫人,パナマ大統領夫人から各国における取組等が紹介されました。
(参考1)NGO「Autism Speaks」の概要
国連経済・社会理事会で協議資格を有する国際NGO。2005年2月にニューヨークを本拠地としてライト夫妻が設立。自閉症の原因・予防・処置及びケアに関する生物医学研究への資金援助,自閉症に対する意識向上のための社会啓発活動,自閉症者とその家族へのニーズへの支援を行うことで自閉症に関わる全ての人に希望をもたらすことを団体の目標として掲げる。
(参考2)世界自閉症啓発デーと「ライト・イット・アップ・キャンペーン」
自閉症については,2007年の国連総会において,毎年4月2日を世界自閉症啓発デーと定めることが決定され,Autism Speaksは2010年に同日に各地のランドマークやタワーを青くライトアップする「ライト・イット・アップ・キャンペーン」を開始し,本年は約90か国が参加した。日本では東京タワーの点灯式に安倍総理大臣が参加した。
(2)写真展(「The Next Level:East Side Access」)視察(於:グランドセントラル駅内トランジット・ミュージアム)
その後,安倍総理夫人はグランドセントラル駅内トランジット・ミュージアムで同駅百周年事業の一環として行われている日本人写真家鈴木弘之氏の写真展を視察しました。鈴木氏は日本国内外で建設現場などにある建築途中の建物を中心に写真を撮っており,総理夫人は鈴木氏の案内で写真展を観賞しました。


4.9月27日
フードバンク視察(於(ハーレム・コミュニティー・キッチン)
安倍総理夫人は,午前9時(現地時間)から約45分間,貧困者への食事の供給を目的として設立されたNPO「フードバンク」のハーレム・コミュニティー・キッチンを視察しました。
同団体は30年の歴史を有する全米最大の食糧配給機関であり,同団体に対しては,米企業のほか日本のトヨタ自動車が支援を行っており,同社は資金面のみならず「KAIZEN」と呼ばれる効率的な食料配給システムの導入支援などの活動での貢献もしています。
総理夫人は,日本で自らホームレスの方々への食糧配給に参加した経験を踏まえつつ,同団体最高責任者であるマーガレット・パービス氏等から,団体の活動概要,食糧配給の仕組みや,「KAIZEN」により待ち時間の短縮がどのように実現したかなどについて説明を受けながら,食糧配給所をはじめとする施設内の視察を行い,人々と交流しました。