欧州連合(EU)
日EU安全保障・防衛協力
はじめに
国際的な安全保障環境の厳しさが増す中、基本的価値や原則を共有する日本とEUとの間で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた具体的な協力を進めていくことは重要です。EUは、2021年9月に「インド太平洋戦略に関する共同コミュニケーション」を発表し、インド太平洋に関与していくとの強い意思を表明しました。今後、2022年3月に発表されたEUの「戦略的コンパス」及び2024年11月に公表された日・EU安全保障・防衛パートナーシップも踏まえて、日・EU間の安全保障・防衛協力を更に進展させていきます。
日・EU安全保障・防衛パートナーシップの概要
日本とEUは、第29回日EU定期首脳協議共同声明において、首脳間で安全保障パートナーシップを更に発展させることで一致したことを受け、2024年11月、第1回日EU外相戦略対話において、日・EU安全保障・防衛パートナーシップ(骨子(PDF)、和文(PDF)
、英文(PDF)
)を公表しました。
本パートナーシップは、日本とEUが、厳しさを増す安全保障環境に直面する中、安全保障及び防衛に関するあらゆる分野において、協力及び対話の更なる発展・強化を目指すものです。具体的には海洋安全保障、宇宙、サイバーセキュリティ、外国による情報操作と干渉(FIMI)を含むハイブリッド脅威といった分野における協力を進めていきます。
具体的な協力分野
サイバーセキュリティ
日・EU間では、国際的なサイバーセキュリティ上の課題、サイバー犯罪対策及び能力構築支援等幅広い議論を行っており、開かれ、自由で、公正で、安定し、安全なサイバー空間の実現に共に取り組んでいくことを表明しています。日・EUの当局間では、2014年10月に第1回日EUサイバー対話を開催して以降、継続的に議論を行っています。
宇宙
日・EU間では、宇宙空間に関する国際的なルール作り、民生分野(衛星航法、地球観測及び産業等)での協力の可能性等に関し、議論を深めています。また、日EU宇宙政策対話は、2014年10月に第1回会合を開催して以降、定期的に開催しています。
海洋安全保障
2014年以降、日本の防衛省・自衛隊とEU海上部隊間の海賊対処共同訓練は25回以上実施されています。2021年5月には、アデン湾において日・EU・ジブチの3者間での初となる共同訓練を実施するなど、海洋安全保障分野での協力が深化しています。