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外交のプロフェッショナルを目指して

平成30年3月28日

外務省に入省すると,国際社会を舞台として活躍する外交官を育成するために様々な研修が行われます。語学研修と実地研修により,研修国の歴史・政治・文化など多岐にわたって学んでいきます。

STEP 1 研修所での集中語学研修

 外務省に入ると,総合職職員であれば,英,仏,独,西,露,中国,及びアラビアの7言語(年によっては朝鮮語,が含まれる)の中のひとつが,専門職員であれば上記7言語を含む約40カ国語の中のひとつが,研修語として指定されます。入省直後の4月は,外務省研修所で研修語の学習に集中的に取り組みます。

アジアで日本が果たすべき責任や求められている役割の大きさを実感

三枝 加奈 平成25年入省(総合職)
(在米国大使館 外交官補)

 中国四大古都の一つである南京から米国の首都ワシントンDCへ。私は2015年夏から2年間,南京大学で中国語習得を中心に中国史や中国外交について学んだ後,今年夏からジョージタウン大学エドマンド・A・ウォルシュ外交学院アジア研究プログラムに進学し,1年間で修士号を取得すべくタフな日々を送っています。今回は私の研修生活について紹介したいと思います。

 私の参加するプログラムでは,学術的専門性だけでなくホワイトハウスやCIAで実務経験のある有名教授の下で学ぶことができます。クラスメートも勉強熱心なため,最初は議論についていくだけで必死でしたが,最近は少しずつセミナー形式の授業にも慣れ,私も議論に貢献できるようになってきました。

 また,特定の国を専攻として研究するのではなく,機能的もしくは地域的な専門分野を学ぶことが求められており,私はアジアの政治・安全保障を専攻としています。今学期は,アジア国際関係,中国政治・軍事,朝鮮半島情勢等のセミナーを履修していますが,多角的・多面的な思考力の重要性をいつも感じています。例えば,中国の政治経済・軍事に焦点を当ててみると,中国の外交・安全保障政策にはどういった背景や戦略があるのかが見えてきます。それを踏まえて初めて,日本を含め諸外国はどういうアプローチをしていくべきか正確に分析することができます。これまでアジア国際関係をいかに表面的にしか捉えられていなかったか痛感させられました。同時に,アジアで日本が果たすべき責任や求められている役割の大きさを実感しています。

(※外務省facebook学生向けページからの体験談)

STEP 2 本省での勤務

 5月から本省各課室に配属され,日々の業務を通じて外務省の仕事を学びます。実際の勤務に携わる中で,外交の機能とは何か,留学中に何を学びたいかが見えてきます。この期間中も本省内の研修所分室において週に2回の語学研修が続きます。

STEP 3 再び研修所での集中研修

 留学に出る前の3カ月間,再び研修所で集中研修。業務を離れ静かな環境で語学と外務講義に専念します。ここでみっちり語学を勉強しないと留学に出てから苦労します。

真のスペシャリストとなれるようさらに努力を重ねたい

加藤 寛隆 平成27年入省(専門職)
(在仏大使館 外交官補)

 2016年8月,私のフランスでの在外研修がスタートしました。1年目はストラスブールにある国立行政学院というフランス政府の公務員養成学校で研修を行い,公共政策及び国際関係論を学びました。現在,在外研修は2年目に入り,パリの経済紛争学院及びパリ第二大学にてインテリジェンス法学を学び始めたところです。国立行政学院では,フランス語圏の国々の公務員や外交官と共に学び,非常に刺激的な毎日を送ることができました。平均20年近くの職務経験を持つ彼らクラスメイトと,対等に議論し,深い関係を築くことは,語学,経験の面から非常に困難ではありましたが,そのような環境に身を置いたことは自分を大きく成長させてくれたと感じています。また,ここで築いた人間関係は仕事の上でも,またプライベートでも今後拠り所となるであろうかけがえのないものです。

 言葉の壁に直面したりすることは多々ありますが,異なる文化を持つ国での生活は新たな発見の連続で非常にエキサイティングであり,また自身の他の文化に対する寛容な精神を養うことにも役立っています。在外研修では語学力を向上させることは言うまでもありませんが,今後自身のキャリアを通じて関わって行くこととなるフランスという国をいかによく知ることができるかが非常に重要だと考えています。そこで,在外研修を通じてフランス人とはどういう人達なのかを理解しようと努めています。そのために,外国人向けのよそ行きの彼らの姿ではなく,フランス人同士で見せる素の姿を垣間見ようと,可能な限り彼らのコミュニティの中に入り込むべく四苦八苦する毎日です。

 今後も自己研鑽のために与えられたこの2年間を最大限有効活用し,真のスペシャリストとなれるようさらに努力を重ねていきたいと思っています。

(平成29年度専門職パンフレットからの体験談)

STEP 4 在外研修

 いよいよ在外研修へ。研修期間は言語により2年から3年。原則として研修語を母国語とする国の大学・大学院へ留学します。在外研修期間中は,語学の修得はもちろんのこと,これに止まらず,現地の人々の中に入り,研修国の歴史,政治,経済,社会,文化を広く学ぶことが期待されます。

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